ビジネスにおいて求められる文章。相手にわかりやすく伝える文章力は誰しも手に入れたい。そう認識はするものの、実際に企画書、報告書、プレゼンに、そしてメールなど、わかりやすく伝わる文章でと言われても自信がもてない。そこで、悩ましいこの問題の救世主があるのです。それが超・箇条書き(杉野幹人著)です。箇条書きはあらゆるビジネスシーンで活用できる。本書のエッセンスをご紹介します。
目次(ページコンテンツ)
たかが箇条書きこそ、最強のスキル
「10倍速く、魅力的」に伝える技術とは!?
超・箇条書き
たかが箇条書き、されど最強のスキル。1行ですべてを伝えるプロのテクニックを誰しもが身につけることができるとしたら。
著者は断言しています、「短く、魅力的に伝える」。それが箇条書きの強みだと。
本書は、さらに短く魅力的に伝える箇条書き、そして人を動かすことができる箇条書きを「超・箇条書き」としてまとめられています。
(本書の主な内容)
・「MECE崩し」で山場をつくる ・「アンサーファースト」は万能ではない ・「ガバニング」で引き出しをつくる ・メールには「宣言」が欠かせない ・プレゼンは、聞き手を「主人公」にする ・「否定」で退路を断つ ・形容詞や副詞は「数字」に変える ・海外の履歴書に学ぶ「伝え方のテクニック」 ・超・箇条書きで英語もどんどん上達する |
超・箇条書きは、仕事にすぐ効く「箇条書きメソッド」です。
箇条書きを見れば、その人の思考レベルがわかる
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい重要なスキルと著者の解説が、DIAMOND onlineでそのエッセンスで紹介されています。
「伝え方」ひとつで、ここまで変わると、具体的な事例を紹介。一見すると情報量が多く丁寧な文章による”ベタ書き”と、それを元にした”箇条書き”とを比べると一目瞭然。
- 箇条書きの方が明らかにわかりやすく頭に入ってくる。
- 箇条書きはとてもシンプルで、すぐに理解できる。
- 言いかえれば、情報量がすくないため、処理するのが楽。
- ほとんどの人が一瞬で、最後まで読めるはず。
- さらに、箇条書きは「読み手や聞き手の情報処理の負荷を減らす」という機能もある。
「箇条書き」を見れば、その人の思考レベルがわかる(DIAMOND online)
さらに箇条書きには、そもそも感心をもっていなかった相手の心にも響きやすく、目を配ってもらう、あるいは耳を傾けてもらうことができる。その結果、人を動かすこともできるのだと、その効果は絶大なのです。
箇条書きは、人を動かすだけではなく、あなたの評価も決める。「まさか」と思われる方もいるかもしれないが、事実だ。(杉野幹人)
人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ
DIAMOND onlineの記事で著者は、海外と日本の伝える技術の差を嘆いています。
シリコンバレーで出会った起業家たちも、箇条書きを効果的に使う。プレゼンの最初と最後のページなど、鍵を握るところだ。ところが日本企業のビジネスパーソンが目的や結論のわからないプレゼンを長々とし、相手に無視され、せっかくのチャンスを逃がしていたのとは対照的だったと。
さらに、プレゼンの場での具体例も参考になります。
~引用はここから~
プレゼンというと、カラフルな図やグラフが並ぶものとイメージしている人も多いだろう。しかしプレゼンに限らず、人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ。
その言葉を短く、魅力的にまとめた「箇条書き」がプレゼンの成否を握るのだ。
「たかが箇条書き」と、箇条書きを笑う者は箇条書きに泣く。目の前にあるチャンスを逃すことになる。たった数行の箇条書きで、あなたの明日が変わる。さあ、『超・箇条書き』のトレーニングを始めよう。
「箇条書き」を見れば、その人の思考レベルがわかる(DIAMOND online)
~引用はここまで~
ところが箇条書きにして短く伝えればいいのかというとそうでもないのです。そこには共通の技術が必要なのです。わずか数行の箇条書きであっても、繊細で精巧な工夫が必要のようです。具体的な工夫も探ってみましょう。
箇条書きを笑うものは箇条書きに泣くのです。
箇条書きのコツと活用
箇条書きをトレーニングすることで文章力もアップする。そのトレーニング方法をご紹介します。
魅力的に伝える箇条書きのコツ
ただ箇条書きにしただけでは意味がない。箇条書きのメリットは、「短く、分かりやすく、魅力的に伝える」でした。しかし、ただ箇条書きにするだけでは短くなったとしても、分かりやすく魅力的に伝わることはないのです。本書ではこのことを、構造化すると説明しています。
(構造化の3つのポイント例)
- 箇条書きをグループに分ける
- 分けたグループの見出し(タイトル)をつける
- 時間軸に並べる
ビフォアー | アフター |
・内容
|
・3つの問題点・・・(現在)
・2つの対応策・・・(未来)
|
あきらかに構造化した箇条書きは分かりやすく、伝わりやすい内容に改善されています。忙しい上司が手にしただけで、何をどうしたいのかが見ただけでもすぐに察知できます。
とならば、箇条書きと構造化は伝わる側の受けとめ側に対するエチケットにも通ずるものがあるように思えます。日本的に言えばビジネスにおけるおもてなしではないでしょうか。
グループに整理して見出し(タイトル)をつけ、時間軸で並べるひと手間が重要です。
箇条書きを極めれば、ベタ書きも上手くなる
ベタ書きの中でも箇条書きを活用することで特に、論説文が上手くなる方法が参考になります。箇条書きが長い論説文にも活用できるのです。下記のように簡単なベタ書きをこの方法を紹介しながらまとめてみました。
-誰にでもすぐできる!簡単トレーニング(DIAMONDO online)
(長い論説文を上手くまとめる方法)
・論説文など長い文章を書く際のコツは、文章をいくつかのパラグラフに分けること。パラグラフとは文章の段落、節のことです。これは箇条書きを整理するコツとよく似ています。パラグラフが箇条書きの集まりだと考えると分かりやすくなるはずです。
・各パラグラフの先頭に、そのパラグラフの主張を一文で示していく書き方。これには箇条書きがとても有効です。箇条書きをまとめたパラグラフを一文で表現するは箇条書きを整理する際に使う見出し(タイトル)と同じです。各パラグラフの先頭に見出し(タイトル)として一文で示すわけです。
・優れた論説文は主張や論理が明確。ダメな論説文はベタ書きで情報量が多いものの、主張や論理が不明確だったりする。優れた論説文を書くための世界共通のコツは、こうしたパラグラフライティングになります。
つまり各パラグラフの先頭の文を集めれば全体の要約になるというわけです。
私の感想
アマゾンの会議ではパワーポイントも箇条書きもNG。本ブログでは以前、アマゾンの会議ではパワーポイントも箇条書きもNGである事実と、その理由について取り上げました。アマゾンでは会議資料は文書形式というルールがあるということ。その理由についてご紹介したわけです。
解釈の違いが生じるから。パワーポイントや箇条書きでは、行間の読み方受け取り方で人によって解釈の違いが生じるというものでした。さすがにアマゾン、クォリティの高さレベルの高さが分かります。後になって読み返したとしても漏れがなく、伝えたいことが確実に伝わるため文書で表現するということでした。
本書の超・箇条書きは必要がないのか。いいえ、けしてそうではありません。箇条書きの活用でご紹介しましたとおり、長い論説文などには箇条書きをパラグラフに分け、先頭に見出し(タイトル)を持ってくることで論説文も分かりやすく魅力的に伝わるようになる。文章でいつ読んでも漏れもなく確実に伝えるべく術になるということ。アマゾンの狙いは、今回ご紹介の箇条書きの技をつかった文章を利用しているということなのです。
分かりやすく、正しく、もれなく、そして魅力的に伝える原則は場面が違っても変わらないのです。
http://marus.info/amazon-powerpoint/
今回のまとめ
・超・箇条書き(杉野幹人著)は、仕事にすぐ効く「箇条書きメソッド」。短く魅力的に伝える箇条書き、そして人を動かすことができる箇条書きを「超・箇条書き」としてまとめられています。超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術
・たかが箇条書き、されど最強のスキル。1行ですべてを伝えるプロのテクニックを誰しもが身につけることができるとしたら。著者は断言しています、「短く、魅力的に伝える」。それが箇条書きの強みだと。本書は、さらに短く魅力的に伝える箇条書き、そして人を動かすことができる箇条書きを「超・箇条書き」としてまとめられています。
・人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ。プレゼンと言うと、カラフルな図やグラフが並ぶものとイメージする人も多いだろう。しかしプレゼンに限らず、人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だと断言する著者。「たかが箇条書き」と、箇条書きを笑うものは箇条書きに泣くと。もはや箇条書きを見れば、その人の思考レベルがわかるとなれば、たかが箇条書きでは済まされない。
・ただ箇条書きにしただけでは意味がない、構造化をするのだ。構造化とは、箇条書きを同じグループに分けること。グループに分けた箇条書きに見出し(タイトル)をつけて時間軸でまとめること。この構造化で分かりやすく、魅力的に伝えることができるのです。
・論説文など長い文章を書く際のコツは、文章をいくつかのパラグラフに分けること。これは箇条書きを整理するコツを長文の論説文にも使うやり方でした。各パラグラフの先頭に、そのパラグラフの主張を一文で示していく書き方。各パラグラフの先頭に見出し(タイトル)として一文で示す。この先頭のパラグラフを優れた論説文は主張や論理が明確。つまり各パラグラフの先頭の文を集めれば全体の要約になるというわけです。
本ブログも箇条書きとパラグラフを意識してまとめてみました。イメージのヒントになればうれしく思います。本書の著者(杉野幹人氏)の言葉が重く励みになります。
箇条書きは、人を動かすだけではなく、あなたの評価も決める。「まさか」と思われる方もいるかもしれないが、それは事実だ。(杉野幹人)
本ブログも箇条書きとパラグラフを意識してまとめてみたつもりです。イメージのヒントになればうれしく思います。
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