今回のテーマは日本の憲法改正。憲法を変えるべきかどうか、最近のニュースでも取り上げられています。ところで、現憲法の何が問題なのか。何をどう変える必要があるのか。社会人のあなたは知らないでは済まされないはず。そもそも憲法とは何か。日本国憲法はどんな憲法、変えるべきは何か、なぜ変える必要があるのか。本記事では、そのポイントを整理ご紹介します。

なぜ今、憲法改正なのか!?

日本はこれまでずっと憲法を変えていない、今後も変えない方がいいのか変えるべきか!?

最近、憲法改正がニュースや話題のなぜ!?

憲法改正が今、ニュースや話題になっているのには理由があります。

 

それは、

  • 2022年の参議院議員選挙で、改憲勢力側が3分の2を超えたのがきっかけ。

 

それもそのはず。

 

憲法を変えるには、

  1. 国会で改正案を提出し
  2. 衆議院でも参議院でも総議員の3分の2以上の賛成が必要となる

 

以前から改憲に積極的なのは自民党や日本維新の会。

立憲民主党や共産党は改憲に消極的。

 

こうした改憲勢力が衆議院ではすでに3文の2を超えたこと。

さらに今回、参議院でも超えたことから憲法改正の準備が整ったことになるからです。

 

改憲勢力にとってみれば、憲法改正の大きなチャンスというわけです。

国会で認められれば憲法は変えられるのか!?

国会を通過した後も改正の手順は続きます。

 

それは、

  • 国民投票というハードルがあります。

 

日本国民(18歳以上)が、憲法改正に賛成かどうかを投票します。

有効投票数の半数以上が賛成なら憲法改正が決まります。

 

つまり、憲法を変えるかどうかは、日本国民一人ひとりの意見で決まるのです。

憲法9条問題

9条の何が問題なのか!?

自衛隊の存在

改憲のメインとなるのは憲法9条。

9条は日本国憲法の基本の3原則のひとつ、「平和主義」で重要な条項であることはもちろん、

 

9条に書かれていることは、

  • 「戦力はいっさい持たない」とあります。

 

つまり、自衛隊の存在が議論になるのです。

  • 自衛隊は自衛権であって戦力ではないという解釈もある一方。
  • これは憲法違反だという意見もある。

 

そこで自民党は自衛隊について憲法に明記し、憲法違反などの意見をなくそうと提案しているのです。

9条改憲の危険

自民党は9条改憲とは別に「集団的自衛権」を認める法律を作った。

少しずつ自衛隊の活動範囲を広げてきたのも事実。

 

集団的自衛権とは、

  • 同盟国が攻撃されたとき、一緒に戦争に加わる権利。

※2015年9月に成立した安全保障関連法によって一部、認められた。

 

ここで、9条を変えることで、さらに自衛隊の活動範囲が広がるのではないか。

戦争に巻き込まれる危険が増すかもしれない。

 

護憲派はこの状態を危険視しているのです。

憲法改正は9条だけではない

9条以外にも、各党から憲法改正の提案あり。

9条以外各党の改正案

9条以外、主な各党の改正案をご紹介します。

 

自民党は9条改正のほか、

  • 緊急事態条項の制定・・・大地震が発生した時などの緊急事態対応を強化
  • 参院選の合区解消・・・参議院の合区解消、各都道府県から1人以上選出
  • 教育環境の充実・・・家庭の経済事情に左右されない教育環境の充実

 

立憲民主党は9条改正に反対、その他主な改憲案は、

  • 総理大臣の衆議院解散権の見直し
  • 同性婚の認可など・・・同性婚を認める

 

公明党は、

  • 環境権・・・きれいな空気、水、騒音のない静かな環境の中で暮らす権利
  • プライバシー権・・・プライベートな情報の保護を受けることのできる権利

 

日本は70年以上一文字も憲法を変えてこなかったのにも意味がある。

でも、時代に合わせる必要も当然あるわけです。

 

憲法改正は時代にそって、社会をよくするきっかけにもなることと考えたいものです。

ざっくり日本国憲法

日本国憲法のおさらいをしましょう。

憲法とは

憲法とは、国や国民の基本を定めた決まり。

 

国民よりも国に対して「国民には権利や自由があるから、それらをしっかり守りなさい」と求めている。

  • 憲法は、権力者の力を制限し、人々の権利を守るために生まれた

 

具体的には、

人権思想
  • 人間が生まれながらに持っている権利、思想、学問、表現の自由
  • 平和権、環境権、情報権などの新しい人権も主張
立憲主義の実現
  • 憲法によって国による権力の乱用を抑える
  • 国民一人ひとりの権利や自由を守るという、国と国民の基本的な考え

 

こうして憲法には、おもに国が守るべき国民の「人権」と、権力を持った者が好き勝手に国をおさめたりしないための「国のしくみ」が記されているのです。

日本国憲法基本の3原則

日本国憲法の前文には、基本の3原則が明記されています。

 

日本国憲法基本の3原則、

  1. 国民主権・・・国の主役は国民で、国民の代表者が政治を行う
  2. 基本的人権の尊重・・・自由に自分らしく生きるための権利を保障
  3. 平和主義・・・戦争はせず、世界平和のために努力する

 

日本国憲法は天皇中心の大日本帝国憲法から、国民中心の日本国憲法への歴史があるのです。

日本国憲法は全文と1~11章で構成

日本国憲法の構成はこちら。

 

前文 基本の3原則 第6章 裁判所(司法)
第1章 天皇は「神」でなく「象徴」 第7章 国のお金の使い方
第2章 「戦争の放棄」の9条のみ 第8章 地方自治
第3錠 国民の権利及び義務 第9章 憲法改正の手続き
第4章 国会(立法) 第10章 憲法は国の最高法規
第5章 内閣(行政) 第11章 その他

 

日本国憲法は、ほかの国の憲法に比べて短い。

国のしくみについての項目が簡潔で、選挙の方法などは法律で決めるとしている。

 

憲法を変えずに法律を変えるだけでよかったという点が日本国憲法の特徴でもあるのです。

日本国憲法一文字も変わっていないなぜ!?

それにしても70年もの間、一文字も変わっていない日本国憲法は不思議でもあります。

 

その理由は、

  1. 国のしくみがあまり詳しく書かれていない
  2. 最初から「男女平等」が書かれているなど、人権が充実していた
  3. 平和で豊かだったから

 

今の暮らしに満足していたら、憲法を変えて国を変えようとは思いません。

今回のまとめ

というわけで、今回は以上です。

 

↓↓↓引用させていただきましたのはこちら。

ジュニアエラ(2022年11月号Kindle版)

 

憲法を変えることなく、いつまでも平和で、くらしに満足するものでありたいものです。

 

ところが、ロシアのウクライナ侵略、中国共産党の覇権、北朝鮮の核武装と世界情勢は脅威に変化。

少子高齢化の影響など、将来の不安も増すばかり。

 

できることなら憲法を変えずに、いつまでも豊かで平和な国家でありたいもの。

とはいえ、改憲が必要であれば改正もやむなし。

 

いずれにしても憲法を変えるかどうかは、日本国民一人ひとりの意見で決まるのです。

 

いかがでしたでしょうか。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。