「なんであの人、あんな言い方するの?」、「またイライラしてしまった…自分ってダメだなあ」、そんなふうに心がザワザワすること、ありませんか?私たちは日々、他人の言動や自分の感情に振り回されて、心が疲れていくもの。でも仏教では、そもそも“悩まないための考え方”があるというのです。草薙龍瞬さんの『反応しない練習』は、2500年前のブッダの教えを、現代人の悩みに即してズバリと教えてくれる一冊。今回はそのエッセンスを、日常の気づきとともにエッセイ風にまとめてみました。

反応するクセが、心を疲れさせる

–「ムカつく」「イライラ」「不安」は“自動反応”。本当の自分ではない

ある朝、通勤電車で肩がぶつかった、
相手は謝らずスマホを見たまま。

その瞬間、
私の中で“カチン”と音がした。

「なんだよ、感じ悪いな!」。

でも家に着くころには、
その人の顔も覚えていない。

じゃあ、あの怒りってなんだったのか?

 

草薙さんは言います。

「心の悩みは“反応”から生まれる」と。

私たちがつい抱くイライラや焦り、不安、
それは「出来事」への“自動反応”にすぎない、と。

 

つまり、「反応しないこと」ができれば、
心の疲れは大幅に減らせる。

ブッダが目指したのは「心の観察者」になること。

怒りに反応せず、
「今、私は怒っているな」とただ観る。

たったそれだけで、
心はスッと静かになる。

反応のスイッチを切る、
それが最初の練習なのです。

悩みの原因は「思い込み」にある

–「べき思考」と「自分物語」を手放すとラクになる

あるとき私は、
「ちゃんとしなきゃ」
「ミスしちゃいけない」というプレッシャーに、
押しつぶされそうになっていた。

まるで、自分にムチ打つ監督が、
頭の中に住んでいるかのよう。

 

本書によると、
その正体は「思い込み」。

「ちゃんとすべき」「人から嫌われちゃいけない」
「成功しないと意味がない」…。

 

私たちはいつのまにか、
誰かに植えつけられた価値観で自分を縛っている。

ブッダはそれを「思考による錯覚」と呼びました。

さらに厄介なのは「自分物語」。

「私はダメな人間だ」
「人間関係がうまくいかない私は不幸だ」といった、
自分に貼ったレッテル。

悩みはこの“ストーリー仕立ての思考”からどんどん膨らんでいくのです。

ブッダがすすめるのは、
「今ここ」に意識を戻すこと。

 

思い込みの物語を止めて、
「呼吸している今」「歩いている今」だけを感じる。

ただそれだけで、
頭の中のおしゃべりが止まり、
心がスーッと軽くなる。

正しく考えることが、悩みから抜け出す鍵

–思考を否定せず、「使い方」を変えるだけでいい

「考えすぎて疲れる」という人は多い。

でもブッダは、
思考そのものを否定してはいません。

むしろ「正しい考え方」を身につければ、
悩みは自力で解決できると説きます。

では、その「正しい考え方」とは何か?
草薙さんの説明は明快です。

それは「物事を事実として見る力」。

 

たとえば、「上司に怒られた。私はダメだ」と思ったとき、
「事実」は“怒られた”という出来事だけ。

「私はダメ」というのは感情による解釈です。

ここで一呼吸おいて、
「それって本当?」と自分に問いかける。

これはまさにブッダが教える「問いの力」。

 

思考を感情から切り離して、
冷静に“事実ベース”で捉えることで、
心は過剰に反応しなくなります。

「自分の心を整理する習慣こそ、現代人に必要なスキルです」と、
草薙さんは語ります。

それはつまり、
日々の“心のメンテナンス”。

筋トレと同じように、
「反応しない練習」は少しずつでも確実に効いてくる。

今回のまとめ

–「悩まない」はスキル、誰でもトレーニングで身につけられる

『反応しない練習』は、
悩みを「耐える」ものではなく、
「観察して、ほどく」ものだと教えてくれます。

怒りや不安を「なくす」のではなく「流す」。

それは特殊な才能ではなく、
シンプルな技術です。

 

一度、目を閉じて、自分の呼吸を感じてみる、
今ある思考をただ見つめてみる。

すると、心の奥に、
静けさがあることに気づくかもしれません。

私たちが本当に求めているのは「正しい反応」ではなく、
「反応しなくても大丈夫な心のスペース」なのかもしれませんね。

日常に追われるすべての人にこそ、
このブッダ流“心の整理術”を手に取ってほしいと思います。

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いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。