「ポジティブにいこう!」という言葉に、ちょっと疲れていませんか? 前向きでいることが美徳とされる現代社会において、「悲観主義を推す」という異色の立場を貫くのが、楠木建さんの『絶対悲観主義』です。この本は、ただのネガティブ思考ではなく、“合理的で知的なスタンス”としての悲観主義を提示しています。今回はこの考え方を、私たちの仕事や生活の中でどう活かしていけるか、エッセイ風にまとめてみました。

悲観主義は「損しないための最強戦略」

-期待値を下げることで、人生は驚くほど快適になる

ある朝、電車が遅れて、
イライラしている人を見かけました。

彼はきっと、
「時間通りに来て当然」と思っていたのでしょう。

 

けれど、私は少し違います。

「どうせ遅れるかも」と思っていたので、
むしろ定刻の数分遅れに「お、今日はマシだな」と感じました。

これは『絶対悲観主義』の本質、
「あらかじめ期待しない」という姿勢です。

「うまくいく」と信じることは希望になる一方で、
裏切られたときのダメージが大きい。

でも最初から「うまくいかないかも」と想定しておけば、
失敗しても心は安定、
成功すれば喜びも倍増します。

 

これは仕事にも応用できます。

たとえば新しいプロジェクトに関しても、
「予想以上に面倒が多いだろう」と構えておけば、
トラブル対応も落ち着いて行える。

つまり、悲観主義は「損しないための知恵」であり、
むしろリスクマネジメントの基本姿勢なのです。

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「根拠のない自信」を捨てる勇気

-自分に期待しすぎないことが、自信につながる パラドックス。

自己啓発本でよく見かける、
「自分を信じろ!」という言葉。

正直、私はこれが苦手でした。

信じろと言われても、根拠がないし、
失敗したら「やっぱり自分はダメだった」となるのがオチです。

 

『絶対悲観主義』では、
「根拠のない自信」よりも、
「根拠のある不安」のほうが健全だと説いています。

これはまさに、
等身大の自分を認めること。

できないことがあって当然、
自分は万能じゃないと腹をくくる。

それが逆に、
冷静さと着実さをもたらすのです。

 

たとえばプレゼン前、
「緊張するし、質問にも完璧には答えられないかもしれない」と認める。

でもその不安を元に、
準備を徹底する。

結果、「それでもなんとかなった」という経験が、
自然と本物の自信につながっていく。

悲観主義は、
未来を必要以上に明るく見積もらず、
現実を見据えたうえで「いま何ができるか」を考える姿勢。

だからこそ、
じわじわ効いてくるのです。

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悲観主義者こそ「継続」できる人

-短期的な結果ではなく、長期的な習慣に価値を置く視点。

「結果が出ないからやめた」、
「やる意味があるかわからない」ーー

そんな言い訳が頭をよぎるとき、
私は『絶対悲観主義』の一節を思い出します。

それは「成果を求めすぎると、続かない」という言葉。

 

悲観主義者は、
そもそも「大した成果なんてすぐには出ない」と思っているので、
長期戦が前提。

すると、目先の結果に一喜一憂しない分、
淡々と継続できるのです。

 

これは、日々の運動や勉強、
貯金などにも通じます。

「半年で5kg痩せる!」ではなく、
「どうせすぐには痩せないけど、食べすぎを減らす習慣だけはつけよう」。

「TOEIC800点!」ではなく、
「毎日15分だけ英語を読む習慣を続けよう」。

 

このように、過剰な期待をしないからこそ、
小さな努力を積み重ねられる。

結果、それが意外な成果につながったりするから面白いものです。

悲観主義とは、
夢を捨てることではありません。

ただ「夢に振り回されず、地道に続ける力」なのです。

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今回のまとめ

-期待しない、でも行動する。それが人生を静かに前進させる。

『絶対悲観主義』が教えてくれるのは、
「現実を甘く見ないこと」の大切さです。

悲観主義は、何もしない言い訳ではありません。

むしろ、「うまくいかなくて当然」という前提のもと、
現実的にどう動くかを考える、
知的で戦略的なスタンスです。

 

だから、悲観主義者は落ち込まず、
ブレず、静かに前に進んでいく。

現代は、SNSや自己啓発が「ポジティブ圧」を生んでいますが、
その中で一歩引いて「本当に必要なことは何か」を考える姿勢こそが、
実は一番地に足がついているのかもしれません。

 

期待しない、でもあきらめない。

そんな静かな覚悟が、
仕事や生活の質をじわじわと底上げしてくれるのです。

 

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いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。