職場の不満の原因は職場の人間関係。特に上司との関係が大きなウェイトを占めている事実。河合薫著「残念な職場」では、日本の職場の残念な状況が具体的に指摘されていますのを受け、実際の日常における上司と部下のコミュニケーションを改善できる方法はないか探ってみましたのでご紹介します。
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職場の不満「仕事を辞めたい理由」
2021年1月分の労働調査(総務省統計局発表)によると、「仕事を辞めたいと考えていますか?」「転職を検討していますか?」に、「退職・転職の意向あり」が35.8%、「退職・転職の意向なし」が64.2%の結果となりました。ところで、ある調査によれば「仕事に行きたくないと思うことがある」と回答したひとは91.2%にものぼるとありました。
仕事を辞めたいと考えている理由
1位は職場の人間関係。(38.6%)同率で評価・待遇に不満(38.6%)。仕事を辞めたいと考えている理由の約8割は、「人間関係」と「評価・待遇」という事実。もちろん、職場環境、仕事の量が多い、残業が多い、通勤時間、有給がとりづらい等々。
上位は社内に起因するものでネガティブな要因であることは明らか。とはいえ、従業員側からすれば解決への道はなかなか見当たらず、企業側にとっても改善への取り組みは日々続く悩ましい問題であることも理解するところ。
労使、上司部下、従業員どおし、お互いどのように向き合い理解を深めるか社内のコミュニケーションの重要度がより高まっているようです。
職場にきらいな上司がいる
こちらは10代~60代の働く男女500人アンケートの結果は73.2%にのぼることがわかりました。また、上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがあるは65.2%。上司の存在や上司との関係性が、いかに退職を決意するきっかけになり得るか、あらためて考えさせられます。
嫌いな上司のランキングベスト5は、1位相手によって態度を変える 2位仕事を押しつける/仕事をしない 3位高圧的/偉そう 4位気分屋 5位自分がすべて正しいと思っている。上司の人間性や、理不尽な行動・言動に不快感を抱いている人が多いことがわかります。
なかには、「上司とのかかわりで一番イヤなこと」の問いに、「4位一緒に働くこと全般」の回答に思わず笑ってしまいます。
一般的に社内の人間関係の問題は、上司と部下との間のコミュニケーションギャップが要因と言われます。
残念な職場
上層部の意図に沿わない成功は全く評価されず、上層部の方針に従って出した大赤字は「ナイスチャレンジ」と見なされる。会社という組織では、そんな「残念」なことが毎日起こる。
著者は河合 薫氏
(本紹介のプロフィールから)
東京大学大学院医学系研究博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などにも出演の経験をもつとあります。
その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し現在に至り、「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究に関わるとともに講演や執筆活動を行っていらっしゃいます。
~引用はここから(アマゾン)~
(こんな会社は残念な会社! チェックリスト)
□無責任な上司ほど、部下を見捨てて出世していく
□会議で偉い人ばかりがしゃべっている
□結局、女子社員に女子力を押し付けている
□誰かが徹夜しても気にしない。誰かが倒れても特に何も変わらない
□50代のリストラを狙っている
~引用はここまで~
「この会社、意味不明」と嘆くビジネスパーソンのストレスが軽くなり、希望のヒントが見つかる一冊!
変わらない日本の職場
最近の日本の職場は、女性活躍推進や働き方改革など声高に叫ばれているのに、本質はなかなか変わることはない。今後も変わらないのではないかとの現状に著者河合氏は「残念な職場」と名付けています。
河合氏はその元凶には、企業社会の価値観に染まり、無意識のうちに変化を避け、既得権益にしがみつくマネジメント層にあると指摘します。
加えて著者河合氏は、職場は本来一人ひとりの自律性や能力を発揮する場。仕事がもたらす人との触れ合いや生活の安定などさまざまなメリットを、働く人の心を元気に人に生きる力を与える場のはずだと主張しています。
残念な職場では本来あるべき職場の影響が機能していないと、あらてめて一人ひとりの働き方を考えさせられます。
いますぐ上司ができる部下のコミュニケーションギャップをなくすシンプルな2つの方法
「職場の不満」の現実や「残念な職場」の著者河合氏の主張に考えさせられる反面、日常的な職場の問題として、上司と部下のコミュニケーション不足があげられます。職場の上司と部下のコミュニケーションを解消する方法をネットで探ってみました。これはと思った2つの方法をご紹介します。
部下が思いどおりに動かないのは部下の責任か、上司の問題か
管理職を経験している上司のみなさんの中では、部下がなかなか思いどおりに動いてくれないと悩まれる方も多くいらっしゃるのではないでしょか。これって部下の問題、部下の責任でしょうか。それとも上司側に何か足らないものがあるのでしょうか。
部下がなかなか思う通りに動いてくれないと嘆く上司に限って、部下に嫌われたくないと思うからか、仕事の指示があいまいに行われているケースが多く見受けられると言われます。
「そんなに急ぎじゃないから、手が空いているときにでもやってほしい」といった具合。「急ぎでない」となると、指示を出す上司と受ける部下では温度差が生じる。お互いいい結果には終わらないというわけです。
上司と部下のコミュニケーションギャップの要因のひとつは間に共通言語がないこと。
上から褒めるでなく横から勇気づける
アドラー心理学では、人を育てるには「上から評価して褒める」ではなく、「横から勇気づける」ことが有効だと考えるのだそうであります。横から勇気づけるとはどういうことなのでしょうか。
人が最も勇気が湧くかといえば、組織や共同体への貢献を「横から感謝された」時である。上司から褒められるよりも組織内部の人たちから感謝をなんどか受けることによって人間は自律的に成長していくのだとアドラーは言います。
上司に褒められるために動くようになると人は疲れてしまう。SNSの「いいね」がないと不安になってしまうなんて笑えないのです。
上司は「よくやったぞ」ではなく「組織のために貢献してありがとう、感謝するよ」と言うべき。
5W1Hを意識して伝える方法
上司と部下のコミュニケーションギャップが生まれる背景には、「5W1H」が適切に提示されていないから。つまり、上司と部下のコミュニケーションギャップはお互いの温度差から、共通言語がないからであり、それをうめる方法がシンプルな「5W1H」で示すということなのです。
「5W1H」とは言うまでもなく、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)です。
毒に、「なぜ(Why)」が重要。「なぜ、この提案書をつくるのか」「なぜこの会議を行うのか」「先方の担当者はなぜ不満なのか」など、上司と部下は「なぜ(Why)」を共通言語、共通認識をするすり合わせにシンプルに「5W1H」を使うべきというわけであります。
シンプルに「5W1H」は誰でもすぐに使える有効な上司と部下のコミュニケーションギャップをうめる方法なのです。
私の感想
すべて上司の問題とは言えませんが、今回ご紹介の結果のとおり職場の人間関係、特に上司とのそれがいかに部下のやる気をなくしているのか正面から向き合う必要があるように思います。
そこで、まずは上司が部下とのコミュニケーションでデキることは何かと調べた結果、「上から褒めるではなく横から勇気づける」と、「シンプルに5W1Hを意識して伝える」の2つを改善方法としてご紹介してみました。
部下の方もなんでも上司が悪いで片づけてしまうことなく逆に5W1Hで上司と接するというのもありだと思います。
(marusblog記事紹介)
今回のまとめ
「仕事に行きたくないと思うことがある」と答えた人は91.2%にものぼるとあるアンケート調査の結果。仕事を辞めたいと考えている理由は職場の人間関係、特に上司との関係。
河合薫氏の著書、「残念な職場」でも、「無責任な上司ほど部下を見捨てて出世していく」とありました。「この会社意味不明」と嘆くビジネスパーソンのストレスが軽くなり、希望のヒントが見つかる1冊」と紹介しました。
希望のヒントも大事ですが、明日からでもすぐ上司と部下とのコミュニケーションを良好にするための何か具体的な方法はないものかとしたところで、「上から褒めるではなく横から勇気づける」と、「シンプルに5W1Hを意識して伝える」のシンプルですぐできる2つの方法のご紹介でした。
上司は部下を大切に見守り続けることは「残念な職場」にならない心のあり方であるようです。
いかがでしたでしょうか?
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