わたしたちは、悩みをとてもまじめに信じて生きている。頭に浮かんだ不安や違和感を、そのまま現実として抱え込み、「これは大事な問題だ」と胸に抱きしめてしまう。石川幹人さんの『その悩み、9割が勘違い』は、そんなわたしたちの思考に、やさしく、しかしはっきりと待ったをかける一冊。不安は事実ではなく、脳の仕様や進化の名残から生まれる勘違いかもしれない。そう聞くと、少し拍子抜けする。でも読み進めるほどに、肩の力が抜けていく。悩みは消さなくていい。ただ、正体を知ればいい。その視点が、この本全体を静かに貫いている。


