朝の食卓でふとした一言にカチンときたり、夜の「ただいま」が塩対応に感じられたり。夫婦の間には、言葉にしにくい「ズレ」が潜んでいる。黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』は、そんな日常の違和感に明確な理由を与えてくれる。今回は、夫婦間のすれ違いをユーモラスに解き明かしながら、良好な人間関係を築くための秘訣を綴ってみたい。

脳の構造の違いを理解することから始めよう

-男性脳と女性脳は「OS」が違う

黒川さんによれば、
男女の脳はまるで「Windows」と「Mac」のように、
基本構造が異なるという。

男性脳は「問題解決型」、
一方、女性脳は「共感型」。

たとえば、妻が「今日、すごく疲れたの」と言えば、
夫は「だったら早く寝たら?」と答えがち。

しかし、妻が求めているのは、
「それは大変だったね」といった共感の一言なのだ。

 

このすれ違いは、
どちらが悪いという話ではない。

ただ、OSが違うなら、
その動作の違いを理解して接しなければ、
うまく動かないのは当然。

夫が黙ってテレビを見ていると、
妻は「私に興味がないのね」と受け取ってしまうが、
男性脳にとって“沈黙”はただの「充電時間」だったりする。

つまり、相手の反応が「冷たい」「無関心」と感じる前に、
「あ、これはOSの違いだったな」と一歩引いてみることで、
いらぬケンカを避けることができる。

これはちょっとした認知の訓練でもある。

言葉の選び方が愛情の伝え方を変える

-「ありがとう」より「さすが」が効く?

『夫のトリセツ』には、
興味深い言葉の使い方が紹介されている。

たとえば、夫をその気にさせたいなら、
「ありがとう」よりも「さすがね」の方が断然効くらしい。

男性脳は「承認欲求」に非常に敏感。

つまり、成果や能力を褒められると、
俄然やる気を出す生き物なのだ。

「ゴミ出ししてくれてありがとう」よりも、
「あなたがやると、ゴミ袋がすごくきれいに縛られてて助かる」と伝えれば、
夫は次回も率先して動いてくれる可能性が高い。

これは、決して“おだてて使う”という話ではなく、
相手の自己肯定感を満たすコミュニケーション戦略なのだ。

 

一方、女性にとっては「共感」こそが最大の愛情表現。

だから、夫が「正論」で妻を論破しても、
そこには愛は宿らない。

「そう思ったんだね」「大変だったね」と、
一度受け止めてから話すだけで、
空気は驚くほどやわらかくなる。

夫婦関係は“メンテナンス”が肝心

-愛は「感じるもの」ではなく「育てるもの」

黒川さんは、
夫婦関係を“精密機器”のようなものだと表現する。

最初は完璧に動いていた関係も、
放っておけばネジが緩み、
動作不良を起こす。

だからこそ、
定期的なメンテナンス=コミュニケーションが必要なのだ。

 

日々の「おつかれさま」の一言や、
「今日どうだった?」という何気ない問いかけが、
夫婦関係の潤滑油になる。

特に男性は、
自分から感情を表現するのが苦手なことが多い。

だからこそ、
女性側が“安心して話せる場”をつくるだけで、
夫が心を開くこともある。

また、「うちの夫はどうせわかってくれない」と思ったとたんに、
心のドアは閉じてしまう。

それは夫婦関係にとって、
静かなる断絶の始まりだ。

メンテナンスとは、
「何のためにこの人と暮らしているのか」という原点を、
意識的に思い出す行為でもある。

今回のまとめ

-「なぜわかってくれないの?」

その背景には、
脳の習性と愛の表現方法の違いがある。

夫婦喧嘩の多くは、
「どうしてそんな言い方をするの?」という感情的なすれ違いから始まる。

でも、その裏には、
脳の仕組みや性質の違いがあると知れば、
少しだけ相手に優しくなれる。

 

「男は察することが苦手」「女は正論で傷つく」。

そんな違いを前提に、
あえて言葉を選び、
あえて時間をかけて向き合う。

その姿勢こそが、
長く良い関係を築く鍵だ。

 

黒川伊保子さんの言葉を借りれば、
夫婦関係とは「取扱説明書があってこそスムーズに使える高性能機器」。

お互いの“仕様書”を読み込み、
ちょっとしたアップデートを重ねることで、
驚くほど円滑に動き出すことがある。

愛し方は一つではない。

けれど、「相手を知ろうとすること」は、
どんな愛にも共通する一歩目なのです。

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いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。