コロナ禍の政策で、そのあおりを受けたのが今話題の”ハンコ”。せっかく在宅ワークしているのに、会社の書類に上司の印鑑がなくてはならず、そのためにわざわざ出社しなければならないという非効率な問題。このテレワークを蝕む「ハンコ文化」「ハンコの習慣」を政府の太鼓判で消し去ろうという流れも。とはいえ、日本人にとって身近なハンコ。実は、けっこう奥深いのです。そこで今回は、印鑑についてご紹介したいと思います。

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個人が使うハンコの種類

個人で使うハンコの種類といえば、「実印」「銀行印」「認印」てなところでしょうか。帳簿や伝票などで記入した文字の誤りを訂正などで使用する「訂正印」なんてのもあります。ひとつこのへんでハンコの基本的なこと整理してみましょう。

実印

実印と認印との決定的な違いは、役所や役場に印鑑登録を申請しているかどうかです。見た目が立派でも登録してなけらば実印にはならず、逆に貧弱な印鑑でも登録すれば当然実印となります。

実印はハンコの中でももっとも重要な印鑑であることは周知のとおり、契約書や不動産取引、遺産相続、そうそう自動車登録等にも使います。めんどうだから銀行印も認印も実印でなんていうのはタブー、他のハンコとの併用しないことはもちろん家族で共有なんてありえません。

使う時には書類の内容などよく確認したうえで、慎重に扱う必要があることももちろんです。特に決まりがあるわけではないのでしょうが、姓名を彫刻する方が安全となります。

 

実印と認印との決定的な違いは、役所や役場に印鑑登録を申請しているかどうかです。

 

銀行印

銀行ではほとんどATMで出し入れしますから、銀行の窓口でハンコを取り出すなんて場面はずいぶん減ったことも事実。それでもハンコを紛失したなんて時に改印の手続きなど面倒で、複数の口座がある場合を含めて急を要する時にも少々困ります。

最近は届出の陰影が貼られていなくなったので、どの通帳にどの印鑑を届けたのかよく忘れてしまうのも困ったものです。高齢になったら口座を一つにまとめたりすることも特に必要です。

 

銀行印は金融機関で口座の開設や、金銭の出納に使用するハンコであることもご存じのとおり。

 

認印

認印は日常の一般事務などでよく使う身近なハンコです。身近過ぎるのでついつい机の引き出しやカバンの隅っこに、カンタンに放り投げているなんて方いませんか? そんなわけで印鑑の先が欠けたままになっていたり、もうすべてシャチハタで済ませちゃうなんて感じ。

ネームペンなんてのも一般的で、カバーをいちいち外さなくていいなんてのもたしかに便利。と・は・い・え、認印といっても捺印すれば、それはそれなりに責任が伴うわけですから大事に使いたいものです。「押せばいいんだろ!押せば!」なんて、やけになってもいけませんってな具合です。

 

認印は印鑑登録していないハンコになります。

 

訂正印

違うのは大きさくらい。誰がどう訂正したのかが分かればいいので、あんまり頑固で大きなそれを用意する必要はなし。金融機関などの手続きや契約書など重要な書類での訂正は、銀行印や署名捺印した印鑑を訂正印として使用しなければならない時もあります。もちろん修正液や修正テープの使用はNGです。

普通間違った箇所に二重線を引きその上に正しく記載したうえで、二重線の上にはポチってな感じで訂正印を押します。書類の空いている部分に訂正内容を記述して押印なんてパターンもあるようです。文字を挿入する場合などにも、その追加文字の脇に訂正印という場合もあります。やっぱり、誰がどう訂正したのか加えたのかと、小さくとも訂正印の意味はそれなりに重要。訂正印も丁寧にきちんと押したいものです。

 

訂正印は小さくとも訂正印の意味はそれなりに重要です。

 

捺印と押印は署名と記名に関係あり!

捺印と押印の違い、捺印と押印は署名と記名とに関係があります。

捺印と押印の違い

捺印と押印の違いはご存じでしょうか?捺印と押印は、どちらも印鑑を押すという意味はかわりありません。「捺印」とは「署名捺印」が略された呼び名、「押印」とは「記名押印」が略された呼び名です。

つまり「署名」か「記名」かによって、印鑑を押す行為の呼び名が変わってきます。自分が手書きした書類に印鑑を押す行為が「捺印」。手書きでない名前が記載された書類に印鑑を押す行為が「押印」になります。

 

捺印は署名に印鑑、押印は記名に印鑑となります。

 

証拠能力の比較

ところでワープロなんかで印刷した名前は署名に比べて証拠能力が低くなりますが、商法では記名押印で署名に代えることができるとあります。

 

(証拠能力の高い順番)

  1. 署名(手書き)捺印
  2. 署名(手書き)のみ
  3. 記名(ネーム印など)捺印
  4. 記名(ネーム印など)のみ

 

となります。

 

署名だけでも記名押印よりも証拠能力は高く、契約は有効ということになります。ならばハンコはいらないなんて思いますが、一般的に署名捺印とまぁ日本人らしくご丁寧に行うというわけでしょうか。どちらもハンコを押すということには違いはないのですが、捺印と押印の意味を知ったうえでハンコを押すまたは押して頂くということを丁寧に行いたいものであります。

 

当然、「署名」の方が本人が契約した証拠として証拠能力は高くなります。

 

契印・割印・捨印・止印とはその意味合いとは!?

印鑑文化は上司の印鑑を押してもらうためではなく、日本人のきめ細やかさ、丁寧さにその意味あいが隠されているようです。その結果、印鑑は印鑑でもさまざまな用途にさまざまな形で深い意味あいがあるのです。

契印

契印(ちぎりいん)と読みます。契約書のページを見開きに開いて、あのホッチキスで留めた部分に両ページにまたがる押印。これって普通の割印かと思いきや、契印っていうんですね。

契約書が複数になる場合にこれらがひとつの契約書であるという証明のための押印で、後に書面の追加や差し替えなんてことがあっては困るからです。使用する場合は署名捺印や記名押印に使った同じハンコを使い、契約当事者全員が押印するとなります。

 

契印と割印は似て非なるもの。

 

割印

割印(わりいん)はというと、こちらは原本と写しのある場合や、領収証とその控えにまたがる際にする押印のことになります。印紙に割印する場合は消印と、それぞれ意味合いが違うんであります。こちらは署名捺印や記名押印に使用したハンコとは同じでなくともOK。

 

2枚の書類が対であるという証として、両方にまたがり押印するわけであります。

 

消印

消印(けしいん)はおなじ割印でもこちらは意味が違います。消印は印紙と文書にまたがって押すハンコのことです。はがきの切手に郵便局の印鑑が押されているのとおんなじですね。こちらはそれらの再使用を防ぐためのものです。

なので認印でもシャチハタでもOKということになります。印紙がなくとも契約が無効になるわけではないのですが、領収証発行した場合などは脱税となってしまうだけにご注意を!

 

消印は印紙と文書にまたがって押すハンコのこと、再使用防止のためです。

 

捨印

捨印て意味もしらずになにげなく押してしまいませんか?書類の空いた隅っこに捨印をお願いしますと言われますと、ハイハイわかりましたなんて押しちゃいます。これって後日訂正がある時にわざわざ相手の押印をもらわなくても、捨印があればOKということなんだそうです。

契約書を受け取る側は重宝しますが、渡す側としましては知らないうちに内容が変わっていたなんてことも。銀行など相手が信用できる場合ならわかりますが、そうでない場合はそう簡単に捨印をというわけにはいかないと肝に銘じておきたいものです。捨印をしても契約書などで変更がある場合は必ず連絡の約束を取り付けておきたいものです。

 

そもそも捨印は押さず変更時はその都度確認するなどがおススメとなります。

 

止印

止印(とめいん)と読みます。こちらは契約書などの文章に余白があるとき、後日空きスペースに書き足しなんてことのないよう末尾に押すハンコのことになります。「以下余白」という意味合いです。こちらは署名捺印や記名押印した印鑑を使用するとなります。

 

止印は、「以下余白」と同じ意味合いです。

 

私の感想

ハンコは日本独特の文化でありますが、正直、サインだけでいいのではと思うことはあります。とはいえ、在宅やテレワークが増えてくると、この際ハンコの文化を考え直そうとする動きは大きくなると、逆にハンコを大事に扱ってみようかという気にもなるから不思議なものです。

気分転換にハンコを変えてみるというのもありかと思いますが、あれもこれもとハンコばかりも困ります。気に入ったハンコを用意しては、仕事のけじめとして再認識してみるのもいいかと思ったりもします。

 

ハンコの種類は多々あれど、どれもそれなりに意味があるわけです。

 

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今回のまとめ

契約書を交わしたり領収証を発行するなどビジネスの世界では当たり前の行為であるだけに、その種類や意味はきちんと押さえておきたいもの。ビジネスの常識、マナーとしてハンコも大切に扱いましょう。こういうところからマジ信用信頼されるビジネスパーソンとなるのではないでしょうか?

この際、印鑑を新しいモノにして、気持ちも新たにお仕事に向かってみたらいかがでしょうか?よい気持ちの切り替え、仕事への意欲が沸いてくるはずであります。

 

署名捺印や記名押印など、知らなかったでは信用に欠けてしまいます。

 

いかがでしたでしょうか?

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