人の話を聞いているつもりで、実は自分の番を待っているだけだった。そんなことに、ある日ふと気づいて、胸の奥が少し痛んだ。相づちは打っている。うなずいてもいる。でも頭の中では、次に何を言おうか、自分がどう見られるかばかりを考えている。ケイト・マーフィの「LISTEN」を読みながら、その場面が何度もよみがえった。聞くという行為は、こんなにも奥が深く、そしてこんなにも人生に影響するものだったのか、と。これは聞き上手になるためのハウツー本ではなく、静かに生き方を問い返される一冊だった。驚きのエッセンスをエッセイ風によせてお伝えします。

聞いているつもりで、聞いていなかった

誰かが話し始めると、
私たちは無意識に評価を始めてしまう。

正しいか、間違っているか。
自分ならどう返すか。

もっといい意見を持っていないか。

 

本を手にしながら、
自分の中のそんな癖が、
まるで漫画の吹き出しのように浮かんでは消えた。

聞くという行為は、
相手の言葉を受け取ることではなかった。

相手の世界に一歩足を
踏み入れることなのだと、
著者は静かに語る。

 

それは思った以上に勇気がいる。

自分の考えを一旦脇に置き、
結論を急がず、沈黙さえも受け入れる。

 

その姿勢がない限り、
私たちは本当の意味で
誰の話も聞いていないのかもしれない。

聞くことは、支配を手放すこと

話を遮らない、
すぐに助言しない。

簡単なことのようで、
これが案外むずかしい。

 

なぜなら私たちは、会話の中で
優位に立ちたがる生き物だからだ。

  • 役に立つことを言いたい
  • 賢く見られたい
  • 良い人でありたい。

 

でも本当に相手のためになる聞き方は、
その欲を手放した先にある。

 

著者は、聞くことは相手を
コントロールしない態度だと示している。

相手の話がどこへ向かうのかを決めない、
結論を急がせない。

 

その自由を相手に返すことで、
初めて深い言葉が現れる。

その瞬間、聞き手もまた、
思いもよらない気づきを受け取る側になる。

聞く力は、知性と創造力を育てる

聞くことは受け身ではない、
むしろ、極めて能動的な行為だ。

相手の言葉の裏にある感情を感じ取り、
文脈を想像し、自分の常識を揺さぶられる。

その積み重ねが、
思考を柔らかくし、
視野を広げていく。

 

著者が紹介する多くのエピソードを読みながら、
聞く力がある人ほど、独創的で、
深みのある判断をしていることに気づく。

自分の内側だけで考えていると、
思考はいつも同じ場所をぐるぐる回る。

 

他者の声を本気で聞くことで、
思考は外に開かれ、
思いもよらない発想が芽を出す。

聞くことは、学びであり、
創造の入り口なのだ。

今回のまとめ

-静かに世界とつながる方法

この本を手にして、
会話の風景が少し変わった。

 

相手が話している間、
言葉の隙間にある感情に目を向けるようになった。

沈黙が訪れても、
以前ほど慌てなくなった。

 

聞くとは、
相手を尊重すること。

同時に、自分の内側を
広げることでもある。

 

世界は、自分が話すことで
広がるのではなく、
耳を澄ますことで深まっていく。

 

あとがき:正直に言うと、私は長いあいだ「聞いているつもり」でいただけだった。相手の話を聞きながら、次に何を言おうか、自分がどう見られるかばかりを考えていた。耳は相手に向いていても、心は自分の中にあったのだと思う。気の利いた言葉なんて探さなくていいんだ。聞くことは、今この瞬間の相手を大切にする選択。私は今日も反省しながら、静かに聞く練習を続けているのです。それは、私自身の生き方を変えるってことです。

 

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最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。