「ちゃんと働いているのに、なぜかお金が残らない」。そんなふうに感じたことはありませんか。節約しなきゃと思うほど、なぜかコンビニでスイーツを買ってしまう。疲れた日は、ネット通販のカートがふくらむ。女性のお金の悩みは、数字だけでは片づかないもの。男性にも言えることです。原田ひ香さんの『三千円の使いかた』は、そんな日々のリアルにそっと寄りそう一冊でした。「人は三千円の使いかたで人生が決まる」という言葉の通り、毎日の小さなお金の使い方には、その人の気持ちや生き方がにじみます。今回はこの作品をヒントに、お金の不安をやさしくほどきながら、今日からできる小さな行動変化を考えていきます。

節約できないのは、意志が弱いからじゃない

お金が減る理由は「だらしなさ」だけではありません。

多くの場合、
出費の裏には気持ちがあります。

 

疲れた日のカフェラテ。
イライラした日のプチごほうび。

「これくらい、いいよね」が積み重なる。
それが家計にじわじわ効いてきます。

 

でも、それは単なる浪費ではなく、
心を立て直すための出費でもあります。

ここで大事なのは、
自分を責めすぎないことです。

 

三千円という金額は絶妙です。
高すぎず、安すぎず、つい気がゆるむ。

だからこそ、
その人の本音が出やすいのです。

 

この本が教えてくれるのは、
「何を買ったか」より「なぜ買ったか」。

そこに気づくと、
お金の問題は心のサインだと分かります。

 

服を買いすぎる人は、
服より気分転換が欲しいのかもしれません。

外食が多い人は、
「ラクしたい」が本音かもしれない。

 

どちらも悪いことではありません。
ただ、無意識のままだと苦しくなります。

まずやってみたいのは、
完璧な家計簿ではなく、簡単な記録です。

 

おすすめは、
「三千円以上の出費だけメモ」すること。

買ったものだけでなく、
そのときの気分も一言そえます。

すると、
自分の出費のくせが見えてきます。

 

節約は、
我慢の競技ではありません。

自分の気持ちを知ること。
それが最初の一歩です。

お金の不安は、残高より“見えないこと”でふくらむ

お金の不安は、
残高不足だけで生まれるわけではありません。

本当にしんどいのは、
「この先どうなるか分からない」ことです。

 

老後って、いくら必要?
保険って、このままでいいの?

子どもの教育費は?
親の介護は?

 

考え始めると、
急に気持ちがざわつきます。

しかも、その不安は
夜になるとやたら元気です。

寝る前に口座を見る。
残高はあるのに、なぜか焦る。

……あるあるです。

 

この本には、
年代の違う女性たちが登場します。

若い人には若い人の不安。
年齢を重ねた人には別の不安。

 

つまり、お金の悩みは
年齢で卒業できるものではないんですね。

だから必要なのは、
不安をなくすことより、見えるようにすることです。

 

おすすめは、
お金のモヤモヤを3つに分けること。

①毎月のお金
②1年以内のお金
③将来のお金

この3つを分けるだけで、
頭の中がかなり整理されます。

 

毎月のお金では、
固定費の見直しが効きやすい。

スマホ代。
使っていないサブスク。

なんとなく入り続けている保険。
「昔のわたし契約」が今を圧迫していることも。

ちょっと切ない話です。

 

1年以内のお金は、
イベント費を先に書き出すと安心です。

誕生日、帰省、美容院、車検、
子どもの行事、母の日。

突然に見えて、
じつは毎年来る出費たちです。

 

将来のお金は、
まずざっくり把握で十分です。

いきなり投資を極めなくて大丈夫。
知ることから始めればOKです。

 

不安は、
ぼんやりしていると巨大化します。

でも、紙に書くと
急に話せる相手みたいになります。

 

見えない敵より、
見える課題のほうがやさしい。

それだけで、
心は少し軽くなります。

人生を変えるのは、大きな節約より“小さな選び方”

家計を変えるのは、
派手な節約ではありません。

本当に効くのは、
日々の小さな選び方です。

 

人生は急に一億円が降ってくる話ではなく、
豆腐と卵と洗剤の値段でできています。

そして、ときどき口紅。
できれば少し気分が上がるやつ。

だからこそ、
お金とのつき合い方も現実的でいいのです。

 

今日からできることは、
たった3つあります。

ひとつ目は、
「使ってよかったお金」を記録すること。

節約というと、
減らすことばかり考えがちです。

でも本当は、
満足度の高い出費を知るほうが大切です。

本、靴、寝具、
友だちとのランチ。

逆に、
なんとなく使って後悔したお金も見えてきます。

この差が分かると、
お金の使い方に芯ができます。

 

ふたつ目は、
「安いから買う」を一度止めること。

セールは魅力的です。
でも、使わないなら結局高い。

家の引き出しの奥が、
静かにそれを証言しています。

 

みっつ目は、
「先に少しよける」こと。

月末に余ったら貯める。
理想ですが、現実は気まぐれです。

だから、
給料日後に少しだけよける。

千円でも三千円でも十分。
その小さな安心が効いてきます。

 

大切なのは、
完璧な家計ではありません。

自分で選んで使っている感覚。
それが暮らしを整えてくれます。

 

お金は人生の正解をくれません。
でも、自分らしさを映す鏡にはなります。

だからこそ、
今日の三千円を少しだけ丁寧に。

その積み重ねが、
数か月後の安心につながっていきます。

今回のまとめ

お金の悩みは数字だけの問題ではありません。

使い方には、
その日の気分や未来への不安が映ります。

だから節約は、
苦しい修行でなくていいのです。

 

大切なのは、
何を減らすかより、何を大切にするか。

三千円の使い方を見直すことは、
自分の暮らしを整えることでもあります。

 

いきなり全部を変えなくて大丈夫。
まずは一つ、気づけば十分です。

今日の出費をメモする。
使ってよかったお金を思い出す。

その小さな行動が、
毎日を少しずつ変えていきます。

 

お金を整えることは、
自分を雑に扱わないこと。

「わたしの毎日、これでいいかも」
そう思える日が増えていくはずです。

 

あとがき:『三千円の使いかた』は、お金の話なのに、人のぬくもりがあります。節約の話なのに、「ちゃんと生きるって何だろう」と考えさせられます。わたしは読みながら、お金って性格より生活に出るなあと感じました。もし今、お金のことで少し気持ちが重いなら。変えるのは、今日の三千円からで十分です。あなたの毎日が、少しでも軽く、やわらかくなりますように。

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最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでもヒントになればうれしく思います。