今回のテーマは職場の上司と部下との関係についてです。職場の不満の原因は職場の人間関係なのです。特に上司との関係が大きなウェイトを占めている事実。河合薫著「残念な職場」では、日本の職場の残念な状況が具体的に指摘されていますのを受け、実際の日常における上司と部下のコミュニケーションを改善できる方法はないか探ってみましたのでご紹介します。

職場の不満「仕事を辞めたい理由」

ある調査によると、職場の人間関係で「仕事に行きたくないと思うことがある」と回答した人は91.2%にものぼるとありました。

仕事を辞めたいと考えている理由

労働調査結果から、
まずは仕事を辞めたいと考えている人の理由を確認してみます。

 

仕事を辞めたいと考えている人の理由はこちら、

  • 1位は職場の人間関係(38.6%)
  • 同率で評価・待遇に不満(38.6%)

 

仕事を辞めたいと考えている理由の約8割は、
「人間関係」と「評価・待遇」というのが現実。

もちろん、職場環境、仕事の量が多い、
残業が多い、通勤時間、有給がとりづらい等々もあります。

 

問題はなかなか深刻で、
従業員側からすれば解決への道はなかなか見当たらない。

企業側にとっても改善への取り組みは日々続く、
悩ましい問題であることも理解するところ。

労使、上司部下、従業員、お互いどのように向き合い理解を深めるべきか。

 

社内のコミュニケーションの重要度がより高まっているようです。

職場にきらいな上司がいる

上司についての調査結果はこちら。

 

ズバリ「きらいな上司はいるか」の問いに、

  • 10代~60代の働く男女500人アンケートの結果は73.2%にのぼる
  • 上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがあるは65.2%

 

上司の存在や上司との関係性がいかに退職を決意するきっかけになり得るか、
あらためて考えさせられる結果が明らか。

 

嫌いな上司のランキングベスト5は、

  • 1位相手によって態度を変える
  • 2位仕事を押しつける/仕事をしない
  • 3位高圧的/偉そう
  • 4位気分屋
  • 5位自分がすべて正しいと思っている

 

上司の人間性や、理不尽な行動・言動に不快感を抱いている人が多いことがわかります。

なかには、「上司とのかかわりで一番イヤなこと」の問いに、
「4位一緒に働くこと全般」の回答も。

 

笑うにも笑えない状況があるようです。

 

一般的に社内の人間関係の問題は、上司と部下との間のコミュニケーションギャップが要因なのです。

変わらない日本の職場

最近の日本の職場は、
女性活躍推進や働き方改革など声高に叫ばれています。

 

 

ところが、本質はなかなか変わることはない。

今後も変わらないのではないかとの現状に著者河合氏は「残念な職場」と名付けています。

 

河合氏はその元凶について指摘をしています。

  • 企業社会の価値観に染まり
  • 無意識のうちに変化を避け
  • 既得権益にしがみつくマネジメント層にある

 

加えて職場について著者河合氏は、

  • 職場は本来一人ひとりの自律性や能力を発揮する場

 

仕事がもたらす人との触れ合いや生活の安定などさまざまなメリットを、
働く人の心を元気に人に生きる力を与える場のはずだと主張しています。

 

つまり、

  • 残念な職場では本来あるべき職場の影響が機能していない

 

あらてめて一人ひとりの働き方について考えさせられます。

上司と部下のコミュニケーションギャップをなくすシンプルな方法

「職場の不満」の現実や「残念な職場」の著者河合氏の主張に考えさせられる反面、日常的な職場の問題として、上司と部下のコミュニケーション不足があげられます。職場の上司と部下のコミュニケーションを解消する方法をネットで探ってみました。これはと思った2つの方法をご紹介します。

部下が思いどおりに動かない責任は上司か部下か

管理職を経験している上司のみなさんの中では、
部下がなかなか思いどおりに動いてくれないと悩まれる方も多くいらっしゃるのではないでしょか。

これって部下の問題、
部下の責任でしょうか。

それとも上司側に何か足らないものがあるのでしょうか。

 

部下がなかなか思う通りに動いてくれないと嘆く上司に限って、
部下に嫌われたくないと思ってはいませんか!?

その思いから、
仕事の指示があいまいになってしまう。

 

  • そんなに急ぎじゃないから
  • 手が空いているときにでもやってほしい

 

といった具合。

 

「急ぎでない」となると、
指示を出す上司と受ける部下では温度差が生じる。

お互いいい結果には終わらないというわけです。

 

上司と部下のコミュニケーションギャップの要因のひとつは間に共通言語がないこと。

上から褒めるでなく横から勇気づける

アドラー心理学では、
人を育てるには「上から評価して褒める」ではないと言います。

 

上からではなく、

  • 「横から勇気づける」ことが有効

 

では、横から勇気づけるとはどういうことなのでしょうか。

 

人が最も勇気が湧くかといえば、
組織や共同体への貢献を「横から感謝された」時です。

上司から褒められるよりも組織内部の人たちから感謝を何度か受けることによって、
人間は自律的に成長していくのだとアドラーは言います。

 

上司に褒められるために動くようになると人は疲れてしまうのですね。

 

上司は「よくやったぞ」ではなく「組織のために貢献してありがとう、感謝するよ」と言うべき。

5W1Hを意識して伝える方法

上司と部下のコミュニケーションギャップが生まれる背景には、
「5W1H」が適切に提示されていないから。

つまり、上司と部下のコミュニケーションギャップはお互いの温度差から、
共通言語がないからでありました。

 

それをうめる方法が、

  • 「5W1H」で示す

 

「5W1H」とは言うまでもなく、

  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • だれが(Who)
  • なにを(What)
  • なぜ(Why)
  • どのように(How)

です。

 

特に、「なぜ(Why)」が重要。

  • なぜこの提案書をつくるのか
  • なぜこの会議を行うのか
  • 先方の担当者はなぜ不満なのか

といった具合。

 

Whyを共有することで期待できること、

  • 目標の理解が深まり部下のモチベーションアップにつながる
  • モチベーションの向上となり仕事に取り組む姿勢が向上する
  • 問題解決の促進につながりより効果的な問題解決策を見つけることができる
  • コミュニケーションの透明性で組織内の信頼関係が築ける
  • フィードバックの促進で部下は成長のための具体的なアドバイスや改善点を得ることができる
  • チームの連携と一体感で、チームの連帯や協力が促進される
  • 個人の成長と能力回復につながる
  • コミュニケーションの誤解を防ぎ適切な行動ができる
  • 双方の信頼関係の構築に効果がみられる
  • 上司と部下の関係が強化され組織の成功につながる

 

シンプルな「5W1H」の、
とくに「Why」の使い方で効果が期待できるのです。

 

シンプルに「5W1H」は誰でもすぐに使える有効なコミュニケーションギャップをうめる方法です。

今回のまとめ

というわけで、今回は以上です。

 

今回のテーマは職場の上司と部下との関係について。

2021年1月の労働調査によると35.8%の人が退職または転職を検討しており、
その理由のほとんどが職場の人間関係と評価・待遇に関するものであることがわかった。

上司との関係性が退職を決意するきっかけになることも多く、
上司の問題点として相手によって態度を変えることが最も多かった。

 

社内のコミュニケーションの重要性が高まっており、
上司と部下のコミュニケーションギャップを解消する方法が求められる。

本記事では、今すぐ簡単にできる上司と部下のコミュニケーションギャップを解消すべく、
シンプルな方法をご紹介しました。

 

上司は部下を大切に見守り続けることは「残念な職場」にならない心のあり方であるようです。

 

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。