今回ご紹介する本は齋藤孝先生の『50歳からの孤独入門』です。50歳になると、体力の衰え、目や耳の悪化など、明確な変化を感じることが多くなります。この時期は大きな転機であり、不安や焦燥感を抱えることもあります。仕事や家庭でもネガティブな状況に直面することが多くなります。齋藤先生によれば、この転機に直面するのが孤独感です。本書では、50歳を迎えた人やこれから迎える人が孤独感をどう克服すべきかが詳しく解説されています。50歳はまだまだ折り返し地点、充実して生きるためのマインドを本要約動画から引用してのご紹介です。

50歳を過ぎたらプライドよりも大切なもの

50歳を過ぎたら、プライドよりも大切なものがあります。

イチロー選手の1/20の年俸を受け入れたプライドより大切なもの

2017年シーズン終了後の大リーガーイチロー選手は、
在籍していたマイアミマーリンズを自由契約となりました。

この時、新シーズンのキャンプが始まってからようやく、
古巣のマリナーズとの契約が決まりました。

 

その際、全盛期には約20億円ともされていた年俸が、
なんと1億円以下に下がっていたとも言われています。

 

イチロー選手はできる限り現役でいることを望んだため、
契約してくれたことを感謝して野球を続けたいと願っていたのです。

彼は年俸評価のプライドを優先するのではなく、
自分がやりたいことを優先することが大切だと考えていたのです。

 

 

50歳過ぎの大きな転機に、イチローさんのエピソードは大きなヒントとなります。

役職定年や再雇用に直面するプライド問題

50歳を過ぎてから多くの人が直面するのは、
社会からアイデンティティを奪われるという錯覚です。

現在、役職定年制度を導入している会社も多く、
55歳や60歳に達すると役職を剥奪されてしまう人が大勢います。

能力や業績に関わらずです。

 

役職定年になると一回りも若い人の指示を受けながら、
仕事を続けることになる場合もあります。

このような状況になると、
自分自身のやる気や会社に対する忠誠心も下がってしまいます。

また、定年退職後の再雇用となれば、
立場も待遇も大きく下がった状態で仕事を続けなければなりません。

 

仕事の能力が大きく変わることはないですが、
給料がいきなり3割も4割も減らされてしまう。

そうした、理不尽を押し付けられてしまうのが現実です。

 

そうすると、これまでの努力をないがしろにされたように感じてしまい、
頑張ることにも意味を見出せなくなってしまいます。

まるで、自分自身を否定されたような気持ちになってしまうでしょう。

 

 

アイデンティティ喪失と、経済的不公平による士気低下に見舞われる覚悟を!

アイデンティティを見つめ直すことが大切

私たちは人生の積み重ねの中で得てきた価値観と、
組織における地位を重ね合わせてしまう傾向にあります。

要は、人として成長することをイコール立場が偉くなること、
という等式を無意識的に頭の中で結びつけてしまっているのです。

 

しかし、50歳を過ぎると給料や役職が頭打ちになり、
これ以上は上がらない。

それどころか、役職定年や再雇用で逆に、
ガクッと下げられてしまうのが現実です。

 

そうすると、これまでの努力をないがしろにされたように感じてしまい、
頑張ることにも意味を見出せなくなってしまう。

自分自身を否定されたような気持ちになってしまうでしょう。

 

そんな時こそ、自分が優先したいことを、
しっかりと自分の中で整理することが重要です。

自分がやりたいことや、自分を何者だと思いたいのかという視点から、
アイデンティティを掘り下げる。

それによって、50歳を過ぎてからも、
十分に充実した人生を送れる気持ちを整えることができるでしょう。

 

 

年齢にとらわれず、自分のアイデンティティを追求し、充実した人生を目指そう!

50歳を過ぎた人の理想の生き方は高田純次さん

50歳を過ぎた人にとって、嫉妬心に注意しなければならないことが多く、自分自身を見失いがちです。

開放されることの重要性

50歳を過ぎてからの生き方として、
一つの理想となるのは芸能人の高田純次さんの生き方。

齋藤孝先生はそう示しています。

 

高田純次さんは他人への羨望や競争心などからは、
解放されているように見えます。

ちろん私たちはテレビを通してしか分かりませんが、
高田純次さんが誰かを嫉妬しているようにはとても思えません。

人間はいろいろな嫉妬心から抜け出して自由になると、
確実に気持ちが楽になります

 

齋藤孝先生は言います、
嫉妬心は誰しもが持っている感情です。

しかし、50歳を過ぎた人にとっては、
その嫉妬心が大きなストレスになることがあると。

 

福沢諭吉や哲学者のニーチェも、
嫉妬心について警鐘を鳴らしています。

人間が嫉妬心に苛まれやすい生き物であることを指摘しています。

 

高田純次さんのように、
他人への羨望や競争心などから解放される。

それは、自分らしく自由に生きることの理想なのです。

 

 

嫉妬心の解放による自由な生き方は理想です!

自己承認欲求を捨てよう

若い人は、SNSのいいね数やフォロワー数にこだわり、
自己承認欲求を満たしようとします。

 

しかし、50歳を過ぎたら自己承認欲求を捨てることも大切です。

 

自分のアイデンティティーをしっかりと持っていれば、
他人からの承認にすがる必要はなくなります。

他人がどう見られているかよりも、
自分自身がどう生きたいかが大切です。

 

 

自己アイデンティティの確立が真の満足をもたらす。

年齢に合った生き方をしよう

50歳を過ぎた人にとって、
若さに対する嫉妬心を抱えて変に若造りをすることはただ痛いだけです。

自分の老いを認められない人は多いですが、
年齢に合った服装や言葉遣い雰囲気があることを忘れずに生きましょう。

 

また、他人の若さや能力に嫉妬するよりも、
他人を認めて褒めることで嫉妬心は薄れていきます。

50歳からの生き方として、一つの理想となるのは高田純次さんのように、
自分らしく自由に生きることです。

 

 

50歳を超えた人にとっての健康な心のあり方を理解しましょう!

盆栽は最強の趣味!

50歳を過ぎると、生活に退屈が生じることがあります。しかし、この退屈を乗り越えることができる趣味があるのです。盆栽を育てることは、自分が手を加えて育てることができる小さな自然の世界であり、自分自身の生命力を感じることができます。この第3章では、退屈との付き合い方について解説していきます。

富士山をヒントに

齋藤孝先生は、退屈と仲良くなるためには、
富士山をヒントにしてみると良いでしょうとも示しています。

 

毎日姿を変える富士山は、
毎日見ていて飽きることがありません。

同じことをしていても、決して同じではなく、
同じ景色や同じ行動の中に変化や楽しみを見いだせるようになるとどうでしょう。

 

退屈だと思っていたことが、
退屈ではなくなるきっかけとなるはずです。

 

富士山がヒント、日常の変化や新たな発見を見つければ、退屈も楽しみへと変わる!

自然の生命力を感じる

自然を思い通りに動かすことはできませんが、
盆栽という小さな自然の世界は自分が手を加えて育てることができます。

言い換えれば、自分が育てた盆栽は、
自分の世界そのものと言えるかもしれません。

 

盆栽には、1億円もの値段がつくこともありますが、
いい盆栽は八方に根を張りどっしりと太い幹がすっと上に伸びています。

自然の生命力を感じさせる盆栽が評価されるのです。

 

人は、変化の激しいものよりも、
静かに佇む雄大なものに惹かれる。

私たち日本人は山を見ると落ち着いたり、
安心したりする。

そういう気持ちは、
理解しやすいのではないでしょうか。

 

それは、まさに心の落ち着きを体現した、
盆栽を例にした趣味のひとつと言えるです。

 

 

盆栽の小さな世界は、心の落ち着きを体現するもの。

人間嫌いは克服しなくていい

50年も生きていると、
人間ってめんどくさいなあとかろくでもない奴らばかりだとか。

そんな、実感をすることもあるかもしれません。

これ以上他人と付き合ってどうするという、
疑問を抱いても当然です。

 

正直なところ多少の人間嫌いは、
誰にでもあることと思います。

そんな人間嫌いである自分を、
仕事や付き合いに支障がない範囲で受け入れてしまうのもありなのでは。

人間嫌いと聞くと、偏屈で文句ばかり言い、
周囲に不機嫌を撒き散らすような人を想像するかもしれません。

 

しかし、人間嫌いと不機嫌は必ずしも同じではありません。

周囲に不機嫌を振りまいて、
周りの空気を悪くする人は社会を悪くします。

しかし、人に迷惑をかけないのであれば、
無理に他人と仲良くする必要もないでしょう。

 

むしろ、周りからの目線や評価を変に意識しすぎる方が、
息苦しくなってしまいます。

いい意味で周りを気にしない生き方を、
するのも選択肢の一つです。

 

 

他人との付き合いに煩わされず、自分のペースで生きることも大切!

今回のまとめ

というわけで、今回は以上です。

 

本書では、50歳からの孤独に対する、
その対処法について解説されています。

 

イチロー選手の例から、
プライドよりも大切なものを考える重要性。

高田純次さんのように、
自由に生きることの理想などが示唆されています。

 

また、盆栽を通じて自己探求をし、
自己実現に繋げる方法も紹介されています。

 

本書を参考にすることで、
50歳を超えても充実した人生の指南書になるでしょう。

 

 

齋藤流「後半生を幸福に過ごすメソッド」のご紹介でした!

 

(参考文献・動画)

 

(著者)

 

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。