職場に入った瞬間、「なんだかここ、空気が違うな」と感じることってありませんか? ピリピリした沈黙の多い空間もあれば、なんとなく会話が弾んでいて、誰もがリラックスして働いているような空間もある。「空気」は目に見えないけれど、確かに存在していて、私たちの心や行動に影響を与えているものです。高橋克徳さんと重光直之さんの共著『「良い感情の連鎖」が空気を変える ワクワクする職場をつくる』は、この“職場の空気”をどう変えれば、もっと楽しく、もっと働きがいのある場所にできるかを教えてくれるそのポイントを、エッセイ風ブログでお届けします。
感情は“空気感染”する
-職場の空気は、そこにいる人たちの、
「感情」によってつくられている。
たった一人の不機嫌が、
周囲の雰囲気を硬直させることもあれば、
逆にたった一人の笑顔や温かい一言が、
場全体を明るくすることもある。
本書ではこれを「感情の空気感染」と呼んでいて、
人間の感情がいかに伝播しやすいかを心理学的にも解説している。
つまり、空気は勝手に良くも悪くもなるものではなく、
「感情の発信源」となる人の存在が極めて重要だというのだ。
私たちは気づかないうちに、
同僚のため息や上司の笑顔に反応して、
自分の感情まで影響を受けている。
ということは、自分がポジティブな感情を持ち、
積極的に表現するだけで、
職場全体の雰囲気に貢献できるということでもある。
小さな「ありがとう」が感情を回すエンジンになる
-「ありがとう」「助かったよ」「すごいね」
ちょっとしたポジティブなフィードバック、
これらが実は、
良い感情の連鎖を生む“始まりのスイッチ”になる。
本書では、こうした言葉を、
「感情を動かす燃料」として位置づけている。
不機嫌や批判の空気は放っておいても広がってしまうけれど、
ポジティブな感情は、
少し意識しないと広がりにくい。
でも、小さな「ありがとう」を意識的に言うことで、
その場の空気がふわっと和らぐ瞬間がある。
そうした些細な瞬間が重なっていくと、
職場の空気は確実に変わっていくのだ。
さらに、ポジティブな感情は、
“繰り返し”によって習慣化される。
最初はちょっと照れくさくても、
毎日「ありがとう」を伝えることを意識していると、
それがその人の“スタイル”になり、
自然に人間関係も好転していく。
心理的安全性は感情の土台
-「何を言っても大丈夫」「自分の意見が尊重される」と感じられる状態
これがいわゆる「心理的安全性」。
本書では、心理的安全性がないと、
ポジティブな感情の表出すらできないことを強調している。
つまり、安心して感情を表現できる土壌がなければ、
「良い感情の連鎖」はそもそも始まらないのだ。
逆にいえば、「なんでも言って大丈夫」、
「ちょっとした失敗も許容される」空気があれば、
人は安心して意見を出したり、
他人に気を配ったりできるようになる。
それが感情の循環を生み、
結果として“ワクワクする職場”が生まれる。
リーダーの役割もここで大きい。
自ら弱みを見せる、
失敗をオープンに話すなどの行動。
それらが、「この職場は安心して発言してもいいんだ」、
という信頼感を醸成する。
心理的安全性は、
言葉よりも“態度”でつくられるというのも印象的だ。
今回のまとめ
-この本が教えてくれる一番のメッセージは、
「職場の空気は偶然できるものではない」ということだ。
誰かが意識して、
感情のボールを投げなければ、
空気は変わらない。
逆に言えば、誰もが、
空気を変えるプレイヤーになれるということでもある。
たとえ役職がなくても、
「ありがとう」と声をかけたり、
「最近どう?」と気にかけたり、
小さな行動の積み重ねが空気を変えていく。
ポジティブな感情を意識的に循環させることは、
ただ職場を明るくするだけでなく、
メンバーのモチベーションや成果にも直結する。
そして、何より働く私たち自身が気持ちよくいられる。
良い感情が連鎖する職場は、
働く人の心をじんわりあたため、
「また明日もここに来たい」と思わせてくれるのだ。
あとがき:
「空気を読む」ことが美徳とされがちな日本の職場。でもこの本は、「空気は読むものではなく、つくるものだ」と優しく教えてくれました。あなたがもし、今の職場に少しでもモヤモヤや閉塞感を感じているなら、今日からちょっとした“感情の投げかけ”を始めてみませんか?それが、空気を変える一歩になるかもしれません。
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最後まで読んでくださりありがとうございます。
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