私たちは日々、たくさんの情報と人間関係の中で「心が忙しい」まま生きています。そんな中で、赤根彰子さんの著書『こころのヨーガ』は、体を動かすヨガではなく、「心を整えるヨーガ」というまったく新しい視点を教えてくれます。本書で語られる“こころのヨーガ”は、静かに自分を見つめ、心をしなやかに育てていくための実践法です。今日はそのエッセンスを、エッセイ風によせてお伝えしていきます。
目次（ページコンテンツ）
心を「観る」ことから始めよう
ヨーガの本質は、
「心をコントロールすること」にあります。
けれども、私たちはふだん、
心を“観る”ことをしていません。
たとえば、「イライラしてるな」、
「焦ってるな」と感じたとき、
すぐにそれをどうにかしようとしたり、
誰かのせいにしたりしてしまいます。
でも、こころのヨーガが教えるのは、
「ただ気づく」ことの大切さ。
「今、自分は怒っているんだな」、
「焦っているんだな」と、
まるで他人を見るように
自分の心を観察してみる。
これが“観る”ヨーガの第一歩です。
心を無理に押さえつけようとせず、
「あ、そうなんだ」と認める。
そうすることで、
感情の嵐は少しずつ静まっていきます。
自分を責めずに、
“気づく”だけでいい――
そのシンプルさが、
心を自由にしていくのです。
あとがき：心を変えるには、まず「見る」こと。コントロールではなく、観察から始める。この姿勢こそ、こころのヨーガの基本です。
思考を静める「間（ま）」の力
現代人は、
常に何かを考え続けています。
「次は何しよう」、
「あの人の言葉が気になる」――
そんな頭の中の声が止まらない。
赤根さんは、そんな時こそ「間（ま）」
を取ることをすすめています。
深呼吸をして、ただ“空白”を
感じる時間をつくるのです。
ヨーガの呼吸法でも、
「吸う・吐く」の間に
ほんの少しの“静けさ”を置きます。
この“間”が、心のノイズを沈め、
思考の渦をゆるめてくれます。
たとえば、仕事中に焦っている時、
3秒だけでも呼吸の間を意識してみましょう。
それだけで、頭の中の渋滞が
少しずつ解けていく感覚があります。
「何もしない」という選択を、
自分に許す。実はこれが、
最も深い心のリセットになるのです。
あとがき：休むことを怠けだと思わず、「間をつくること」を意識する。何もしていない時間が、心を育てる時間になります。
「手放す」ことで心は軽くなる
ヨーガの教えの中で大切なのが、
「手放す」という考え方です。
執着やこだわり、
過去の後悔や未来の不安――
私たちは知らないうちに、
たくさんの“荷物”を心に背負っています。
でもその多くは、
本当はもう持っていなくてもいいもの。
赤根さんは、「手放すとは、
忘れることではなく、許すこと」と語ります。
許すとは、自分にも他人にも
「もういいよ」と言ってあげること。
過去をなかったことにするのではなく、
それを抱えてきた自分を認め、
優しく手をほどいていく。
手放すことは、
逃げることではありません。
むしろ、今を大切に生きるための勇気なのです。
あとがき：“手放す”は、心を自由にする魔法の言葉。つかむよりも、離すことで人は強くなれます。
今回のまとめ
－心とつながる「静けさ」を生きる
『こころのヨーガ』の核心は、
「静けさの中に真実がある」ということ。
現代社会では、“動く”こと、
“考える”ことが重視されがちですが、
本当に大切なのは「静けさの中で、
自分の心とつながる時間」なのです。
呼吸を整え、感情を観察し、
不要なものを手放す――
それは日常のどんな瞬間にもできる“ヨーガ”です。
たとえば朝の一杯のコーヒーを飲むとき、
ただその香りと温かさに意識を向ける。
それだけでも、
心は穏やかに整っていきます。
“心のヨーガ”とは、
特別な修行ではなく、
日常の中で「今ここ」に気づく生き方なのです。
あとがき：こころのヨーガは、誰の中にもある“静けさ”を思い出す旅。忙しい日常の中にこそ、ほんの少しの「静寂」を見つけてみてください。そこに、本当のあなたがいます。
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