
幸せになりたい。たぶん多くの人が、今日もその気持ちを胸ポケットに入れたまま暮らしている。本を読み、名言を集め、前向きな言葉にうなずきながら、それでも夜になると、なぜか満たされない。星渉さんと前野隆司さんの「99.9%は幸せの素人」は、そんな私たちに向かって、少し意地悪で、でもとてもやさしい問いを投げかけてくる。あなたは、幸せを知っているつもりなだけではありませんか、と。この本は、成功やお金や承認を追いかけることが、なぜ幸せにつながらないのかを解きほぐしながら、幸せには技術があり、練習が必要だと教えてくれる。つまり私たちは、ほぼ全員が幸せの初心者で、しかもそのことに気づいていない。そんな少し照れくさい事実から、この物語は始まる。
幸せは感じるものではなく扱うものだった
正直に言うと、私は長いあいだ、
幸せは向こうからやってくるものだと思っていた。
いいことが起きたら幸せ、
嫌なことが起きたら不幸。
天気予報みたいに、
今日は晴れか雨かを待つしかない、
そんな感覚。
でも本書を手にすると、
その考えが少し恥ずかしくなった。
幸せは感情というより、
扱い方の問題なのだと書かれていたからだ。
たとえば、同じ出来事が起きても、
ある人はため息をつき、
ある人はくすっと笑う。
違いは性格でも運でもなく、
普段どんな視点で世界を見ているか。
つまり、幸せは
反射的に感じるものではなく、
自分で取り扱うものなのだ。
そう気づいたとき、
私はなぜかホッとした。
運が悪いから不幸なのではなく、
扱い方を知らなかっただけかもしれない。
それなら、
これから覚えればいい。
幸せ初心者でも、
今日から練習できる。
日常の動作に心はあるか
これができたら幸せ、
あれを手に入れたら幸せ、
落ち着いたら幸せ。
思い返すと、
私はずっと幸せを未来に引っ越しさせてきた。
今は準備期間だから、
今は我慢の時期だからと、
幸せに居場所を与えなかった。
本書の中で印象的だったのは、
幸せは条件付きで扱うほど、
遠ざかるという話だ。
条件が増えるほど、
達成した瞬間の喜びは短くなり、
また次の条件を探し始める。
まるでゴールポストが
自動で後退するゲームみたいだ。
私はある日、
コーヒーを飲みながら、
このことを思い出した。
特別おいしいわけでもない、
いつもの味。
でも、その湯気を
ぼんやり眺めている自分が、
妙に落ち着いていることに気づいた。
幸せって、
こういう瞬間だったのかもしれない。
何かを達成していなくても、
まだ途中でも、
ここにちゃんと存在している感覚。
条件を外した瞬間、
幸せは意外と近くにいた。
幸せな人は、自分の内側と仲がいい
一番刺さったのは、
幸せな人は自分の感情を敵にしない、
という考え方だった。
落ち込む自分を責めない、
イライラする自分を否定しない。
そういう感情も、
ちゃんと自分の一部として扱う。
私はこれまで、
ネガティブな感情が出てくるたびに、
ダメだダメだと追い払ってきた。
ポジティブでいなきゃ、
前向きじゃなきゃ、
と自分に圧をかけていた。
でもそれは、
自分自身と常に小さなケンカを
している状態だったのかもしれない。
そりゃあ疲れる、
幸せどころではない。
感情は天気と同じで、
変えられないけれど、
傘を持つことはできる。
そう思えるようになったとき、
少しだけ自分にやさしくなれた。
感情と仲直りすることが、
幸せへの近道だったなんて、
今さらだけど新鮮だった。
今回のまとめ
-幸せの素人を卒業するということ
「99.9%は幸せの素人」というタイトルは、
最初は少し挑発的に感じた。
でも読み終えた今は、
なんだか励まされている。
知らなかっただけ、
練習してこなかっただけ。
それなら、
今日から少しずつ始めればいい。
幸せを未来に預けすぎないこと、
条件をつけすぎないこと。
自分の感情と
無理に戦わないこと。
どれも大きな決意はいらない。
ほんの少し視点をずらすだけで、
日常の手触りが変わってくる。
幸せは増やすものではなく、
気づく回数を増やすもの。
私は、そう受け取った。
あとがき:幸せは、なろうとするものじゃなく、思い出すものだった。今日も完璧じゃないし、相変わらず迷う。それでも、コーヒーの湯気や、ため息のあとにくる静けさに、少しだけ気づけるようになった。たぶんそれでいい。幸せの素人の私は、今日も練習中なのですから。
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いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでもヒントになればうれしく思います。






