
最近、「ちゃんと伝えたはずなのに、なんかズレる」「悪気はないのに、言い方で空気が変わった」そんなこと、ありませんか。家族との会話、職場でのひと言、LINEの返信ひとつで、なぜか心がザワつく日。ありますよね。私たちは毎日たくさん言葉を使っているのに、そのわりに“うまく使えている実感”は少なめです。三浦しをんさんの『舟を編む』は、そんな言葉の不思議さと、人の不器用さを、じんわり愛しく見せてくれる一冊です。辞書づくりの話なのに、気づけば「それ、私の日常かも」と思えてくる不思議な本。この記事では、本書から見えてくる“言葉との付き合い方”を、女性のあるあると一緒にやさしくほどいていきます。言葉を少し整えるだけで、毎日は案外、生きやすくなるのかもしれません。
「伝えたつもり」が、だいたい一番あぶない
人は思った以上に、伝わっていません。
つらいですが、かなり本当です。
しかも、悪気ゼロで起こります。
たとえば、
「あとでやるね」と言ったとします。
自分の中では、
「今日中にはやる」の意味。
でも相手は、
「わりとすぐやるんだな」と思っている。
そのズレが積もると、
小さなモヤモヤが発生します。
『舟を編む』では、
辞書づくりを通して、
言葉の意味をとことん考えます。
「そこまで考えるの!?」と
思うくらい丁寧です。
でも読んでいると、
私たちの日常こそ、
少しそれを見習ったほうがいいのかも、
と思えてきます。
LINEでもそうです。
「大丈夫」は便利ですが、
本当は全然大丈夫じゃない日にまで使いがち。
女性って、
言葉の“温度”を感じ取るのが得意です。
だからこそ、
ひと言で救われるし、
ひと言で夕方まで引きずります。
まずは、
「伝えた」より「伝わった」を大事にする。
それだけで、
人間関係のガタつきは、
少し減っていきます。
不器用でも、「ちゃんとしたい」は伝わる
この本の魅力は、
要領がよくない人が、
ちゃんと愛おしいことです。
主人公の馬締(まじめ)さんは、
名前の通り、とても真面目です。
会話は得意ではないし、
空気を読むのも少し不器用。
でも、
言葉に対してものすごく誠実です。
ここが、いい。
かなり、いい。
世の中って、
話がうまい人が強そうに見えます。
返しがうまい人、
気の利いたことを言える人。
たしかに、あこがれます。
私も一度くらい、
会話で「それな」以外を
気の利いた感じで返してみたいです。
でも実際に信頼されるのは、
“ちゃんと向き合う人”だったりします。
言葉が少なくても、
雑にしない人。
うまく言えなくても、
考えて話す人。
それって、
仕事でも家庭でも、
かなり大事です。
だからこそ、
言葉に自信がない日こそ、
背伸びした言葉より、
自分の言葉で話すほうがいい。
「ありがとう」
「助かった」
「ごめんね」
この三つが言えたら、
だいたい人間関係は持ちこたえます。
しかも無料。
ありがたい話です。
暮らしが荒れる日は、言葉もだいたい荒れている
結局のところ、
毎日を整えるには、
言葉の雑さを減らすのが近道です。
忙しい朝って、
なぜか全部いっぺんに来ますよね。
見つからない靴下。
冷めるコーヒー。
鳴るスマホ。
なぜ今なのか、宅配便。
そんな朝に出る言葉は、
だいたいやさしくありません。
「ちょっと待って!」
「今ムリ!」
「聞いてない!」
……はい、あるあるです。
でも逆に言うと、
言葉を少し変えるだけで、
空気も少し変わります。
たとえば、
「なんでやってないの?」を
「どうしたらやりやすい?」に変える。
「もう無理」を
「今日はここまで」に変える。
「私なんて」を
「今日はちょっと疲れてる」に変える。
これだけでも、
自分へのダメージが減ります。
『舟を編む』の辞書づくりは、
派手ではありません。
でも、
ひとつひとつの言葉を見つめて、
少しずつ形にしていきます。
その姿は、
毎日を整える作業に少し似ています。
急に人生は変わらなくても、
今日のひと言は変えられます。
それだけでも、
暮らしは少しやわらかくなります。
言葉を整えると、毎日もちょっと整う
『舟を編む』は、
辞書を作る人たちの物語です。
でも読んでいるうちに、
これはただの“辞書の話”ではなく、
人と人がわかり合おうとする話なんだと気づきます。
私たちは毎日、
思っている以上に、
言葉に助けられ、
言葉に振り回されています。
だからこそ、
言葉を雑にしないことは、
自分を雑に扱わないことにもつながります。
全部をうまく言えなくて大丈夫。
会話が苦手でも大丈夫。
まずは今日、
ひとつだけでも
やさしい言葉を選んでみる。
それだけで、
少し空気が変わることがあります。
言葉は派手な魔法ではありません。
でも、じわじわ効く力があります。
気づけば、
「あれ、前より生きやすいかも」と
思わせてくれるものです。
あとがき:『舟を編む』は、静かな本なのに、読み終えると不思議と心に残ります。私は読みながら、
「ちゃんと伝えるって、思いやりなんだな」としみじみ思いました。忙しい日ほど、言葉は雑になりがちです。だからこそ、少しだけ丁寧に。少しだけやさしく。そんなふうに毎日を編んでいけたら、それだけで、けっこういい日なのかもしれません。あなたの今日のひと言が、自分にも誰かにも、やわらかく届きますように。
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舟を編む (光文社文庫 み 24-2) 文庫 – 三浦しをん (著)
いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでもヒントになればうれしく思います。






