人間は不快なものやストレスを避けることが自然な反応です。しかし、スタンフォード大学心理学研究者のケリー・マクゴニガルさんは、不快なものやストレスを避けようとするよりも、それが何を意味するのかを考えることが健康に良いと主張しています。そもそもストレスは何か、どんなことにストレスを感じているのか、ストレスに敏感な人とそうでない人、そして、ストレスを避けるではなく、その意味を考えるとはどういうことか、その理論について探ってみました。
目次(ページコンテンツ)
身近にあるストレス
職場を観察していますと、仕事の量も内容も同じ、スキルも大して変わらない状況で、ストレスを負担に感じてしまう人とそうでもない人がいるようです。それって、何がそうさせているのでしょうか!?
ストレスとは
あらためて、「ストレス」について調べてみた。
(ストレスとは)
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外側からの圧力は精神的な負担だけではなく、
天候や騒音などの環境的な負担も含まれる。
ましてや、病気や睡眠不足などからくる身体的な負担、
人間関係や仕事に対する悩みといった、
社会的な負担なども当然あります。
ネット検索で、ストレスの要因を聞くと、
結果は順に、
- 仕事
- 金銭面
- 健康・病気
といった検索結果が、
まぁ、そんなところでしょうか。
特に日本では、職場などの人間関係による原因が最も多く、
仕事上では、上司、同僚・後輩、クライアント関係が目立つ。
また、プライベートでは、
親、近所付き合い、ママ友や友人など。
身近な人間関係もストレスを感じているようだとあります。
ストレスは、精神的だけでなく、環境的、身体的、社会的など、生活の中でどこにでもあります。
ストレスの個人差とは
人は多かれ少なかれストレスを抱えるのですが、
やっぱりストレスをためやすい人と、
そうでない人がいることも事実のようです。
さらに、ストレスに対する捉え方は、
個人差がおおいにあるわけですね。
ストレスを感じやすい人は特に、
頑張り過ぎてしまう「完璧主義の人」や「まじめすぎる人」、
何事にも否定的で「ちょっとしたことで自分を責める人」。
そんな人は、ストレスをためやすいといわれているようです。
ところで、ストレスを感じるとは、
具体的にどういうことか!?
これに対しては、
要するに、「心」「体」「行動」が”?”と感じたら、
なにかしらの「ストレス」のサインと考えたほうがいい。
当然、自分自身の「ストレスに気付く」ことが求められる。
それもそのはず、ストレスがたまると、
「抑うつ気分」「不安」「イライラ」などの心の問題が生じる。
さらに、「めまい」「頭痛」「胃痛」「下痢・便秘」などといった、
体の問題が現れる。
また、「仕事上のミスや事故」「暴飲暴食」など、
行動もストレスがたまっているサインだから気をつけたい。
いずれにしても、
ストレスと上手に付き合っていく必要があるようです。
さて、ストレスと上手に付き合うコツがあればいいのですが!
ストレスを避けるでなく意味を考えよう
人間はストレスを避けられないのです。スタンフォード大学心理学研究者のケリー・マクゴニガルさんは、ストレスを避けようとするよりも大事な考え方を提唱しています。
意味を考えることによるストレスの軽減
マクゴニガルさんは、
ストレスを軽減するためのヒントを示しています。
それは、
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と、提唱しています。
彼女の研究によると、
ストレスに対するポジティブな意味を見出すことが必要。
そうすることで、自分自身をより強く、
より健康的に感じることができると示しています。
例えば、
ストレスを感じている仕事に対して、
「この仕事を通じて、自分自身の成長やスキルアップができる」と考える。
そうすることで、
ストレスを前向きに捉えることができる。
ストレスを前向きに捉えるために、避けるのではなく意味を考える、これは大いなるヒントだ!
不快なものから逃げることが健康に悪い理由
不快(ストレス)から逃げることは、
短期的にはストレスを軽減することができる。
ところが、
長期的には健康に悪影響を与えることがある。
例えば、
ストレスから逃げるためにアルコールや薬物を使うことは、
健康に悪影響を与えるだけでない。
問題を解決することから、遠ざかってしまう。
また、不快な感情を抑圧することも、
逆にストレスを増大させることがあるから注意が必要です。
それよりも、
不快なものと向き合うべき。
それが何を意味するのかを考えることが、
より健康的で持続可能なストレス対処法と提唱されているわけです。
ストレスを避けて健康を害してしまうなんて、まったくもってナンセンスだ!
意味を見出すことが生きがいを見つける手助けになる
人は、意味を見出すことが、
生きがいや幸福感を持つための重要な要素となる。
不快なものやストレスから意味を見出すことは、
自己成長や自己実現にもつながるゾ。
例えば、
不快な経験を避けようとするのではなく、
それを通じて何を学び、
何を得ることができるのかを考えること。
ケリー・マクゴニガルさんは、
こう語っています。
~引用はここから~
職場に嫌な人物がいてイライラすることもあるでしょうが、それは小さなこと。真のストレスは、自分の仕事の機会や「責任を全うする」という大切なことが危険にさらされているという認識です。ですから『制御不可能な攻撃に襲われている』という意識を、『自分の関与方法や環境をどう変えるか』に変えることが有用です。
~引用はここまで~
ストレスに対して自分自身の意識を変える、
それがより豊かな人生を送るための、
手助けにもなると示しています。
ストレスフリーの人生などないのです!
今回のまとめ
というわけで、今回は以上です。
不快なものやストレスを避けることは、人間の自然な反応である。しかし、その反応に頼りすぎることは、健康や生きがいを損なうことがある。ケリー・マクゴニガルが提唱するように、不快なものやストレスから逃げるのではなく、何を意味するのかを考えることが、ストレス対処法や生きがいを見つける手助けになる。
是非、お試してみてください。
(参考文献)
いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでもヒントになればうれしく思います。