ある日、通勤途中の満員電車で肩がぶつかった。相手は謝らなかった。「なんであんなに無神経なんだろう」と腹が立つ。そして、気づけば一日中そのことを引きずってしまった――そんな経験、ありませんか?私たちはなぜ、些細なことでも「許せない」と感じてしまうのでしょう?それは心が狭いからでも、性格が悪いからでもありません。脳科学者・中野信子さんの著書『人は、なぜ他人を許せないのか?』には、その理由と、そんな自分を少しラクにしてあげるヒントが詰まっています。今回はこの本をヒントに、「許せない感情」と上手に付き合うためのヒントを、エッセイ風にお届けします。

脳は「正義中毒」になる生き物

-「正しいこと」をしたくてイライラしてしまう

ある日、スーパーのレジで列に割り込まれた、
注意する勇気もなくモヤモヤしながら帰宅。

家に帰ってからも「あの人、本当にひどい」と、
何度も思い返してしまう。

これは「自分は正しいことをされるべき」、
「ルールを守らない人は許せない」、
という思いからくる感情です。

実はこれ、
脳の報酬系が深く関係しているのだそう。

 

中野 信子さんによると、
脳は「正義を行ったとき」に、
ドーパミンが出て快感を覚えるようにできているとのこと。

つまり「正義感を満たすこと」が、
一種の“中毒”になってしまうことがあるのです。

だからこそ、自分が正しいと思うほど、
ルールを破った他人に対して、
怒りがわきやすくなるのです。

なんだか皮肉ですね。

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「怒り」は自分の中の不安や恐れの表れ

-実は、自分を守るためのサインだった

怒りって、
エネルギーのかたまりのように感じます。

でもよく観察してみると、
その裏には「不安」や「怖れ」が、
隠れていることがあります。

たとえば職場でミスを指摘されたとき、
相手がちょっとキツい口調だっただけで、
「何あの言い方!」と腹が立った経験ありませんか?

でもその感情の奥を探ると、
「自分が無能に見られたくない」、
「嫌われたらどうしよう」、
という不安が見えてくるのです。

 

中野さんは、
怒りは本能的に、
「身を守るための感情」だと言います。

つまり、誰かに怒ってしまうとき、
実は自分が傷つかないように、
必死に自分を守ろうとしているのです。

「怒り=悪いこと」と決めつけず、
「自分は今、不安なんだな」と認識するだけでも、
少し心がラクになります。

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「許すこと」は相手のためじゃなく、自分のため

-「ゆるす」は“手放す”という選択

「許さなきゃいけない」と思うほど、
余計に許せなくなることってありますよね。

でも中野さんは、
「許し」とは“相手のため”ではなく、
“自分のため”の行動だと語っています。

たとえば、
過去に誰かに傷つけられたことを、
何度も思い返してしまう。

そのたびに心が痛む。

 

でもそれって、
相手はもう気にもしていないことが多いのです。

それなのに、
自分だけが何度も“再体験”して苦しんでしまう。

これはとてももったいないことです。

 

「許す=忘れる」ではありません。

「こういうことがあった」と認めて、
もうその感情を握りしめるのをやめよう、
と“手放す”こと。

その選択が、
自分の心の平和を守るために、
とても大事なので

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今回のまとめ

-「許せない」は、自分を大切にしたい気持ちの裏返し

「正義感が強くて」、
「怒りやすくて」「なかなか許せない」――

そんな自分を責めてしまうこともありますよね。

でも中野さんの本から学べるのは、
それらの感情はすべて、
「自分を守りたい」「ちゃんと生きたい」という、
健気な脳の働きによるものだということです。

だからこそ、誰かを許す前に、
まずは「そんな自分を許す」ことから、
始めてみてはいかがでしょうか。

 

「今日はちょっとイライラしちゃったな。

でも、それだけ自分の中に“譲れない何か”があったんだな」と、
そっと自分に声をかけてみる。

そうすれば、他人の行動も、
少しだけ違う角度から見えるようになるかもしれません。

「許す」って、
なんだかとても難しいことのように思えるけれど、
実はとても人間らしくて、
やさしい選択なのかもしれません。

今日も少しだけ、
自分の心にやさしくしてあげましょう。

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いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。