今回のテーマは、子供のほめ方叱り方。著者オックスフォード児童発達心理学博士の島村華子さん著、「自分で出来る子に育つほめ方叱り方」について紹介します。子供のほめ方叱り方は、家庭でも教育現場でも難しいものですが、声の掛け方によっては、親子関係や子どもの育ち方に大きな影響を与えるということをご存じでしょうか。大人のエゴや価値観を押し付けない、子供のためのほめ方叱り方を心がけた教育について、本ブログでは、本要約動画を引用してのご紹介です。

見て自分でできる子に育つほめ方

ほめ方には、大きく分けて3種類のほめ方があることをご存知でしょうか。それぞれのほめ方について詳しく説明します。

3つのほめ方

まずは、3つのほめ方とは次の通りです。

 

(3つのほめ方)

  1. おざなりほめ
  2. 人中心ほめ
  3. プロセスほめ

 

まず、1つ目は「おざなりほめ」です。

これは、どういうところがどういうふうに良かったのか、
具体性に欠ける中身のない表面的なほめ方をすることです。

例えば、「すごいねぇ」とか、
「上手だね」といったほめ方になります。

 

2つ目は「人中心ほめ」です。

これは、性格や能力、外見などといった、
表面上の特徴を中心にほめるものです。

例えば、「貴方は優しいね」とか「頭がいいね」とか、
「かわいいねぇ」といったほめ方があります。

 

そして最後の3つ目が「プロセスほめ」です。

これは、
努力や試行錯誤した手順を中心に褒めるほめ方です。

例えば、「頑張ってあなたは最後までやりきったね」とか、
「失敗してもあきらめなくて偉いね」とか、
「いろんな方法を試したね」といったほめ方になります。

 

ご飯をこぼさずに食べた子供を例に、

  • 「すごいすごい」というだけなのが「おざなりほめ」
  • 「お利口さんだねぇ」というのが「人中心ほめ」
  • 「こぼさないようにスプーンの持ち方を変えてみたのね」、というのが「プロセスほめ」

 

(まとめ)

ほめ方の種類は3つに分けられる。

  • 表面的なほめ方(おざなりほめ)
  • 人に焦点を当てたほめ方(人中心ほめ)
  • 試行錯誤をほめ方(プロセスほめ)

まず、このほめ方の違いを理解してみましょう!

ほめ方のNGとその理由

この3つの中でがNGのほめ方は2つ。

 

(NGなほめ方)

  1. おざなりほめ
  2. 人中心ほめ

 

おざなりほめや、人中心ほめばかりをしていると、

  • 子どもはほめられ依存症になる
  • 興味を失なう
  • チャレンジ精神が低下する

 

など、モチベーションが下がると言われています。

 

褒められ依存症になるとは、
褒められていないと自信が持てなくなります。

外部からの承認でしか自分の価値を見いだせなくなる、
そんな状態のことで。

 

例えば、親に絵を書いて見せた時、
「上手だね、天才だねぇ」と言ってもらえないと、
自分の絵はダメなんだと思うようになるんです。

 

また、「うまいね、すごいすごい」と言われ続けいると、
子どもはほめられること自体が快感となってしまう。

どうしたら次もほめられるかなと考えるようになる。

その結果、褒められるためだけに行動するようになって、
せっかく楽しいと思っていても意地を感じられなくなる。

 

自分の絵を「上手ね」と言ってもらえなくなった途端、
「ほめられないのなら」と心が動いてしまう。

本来は好きだったはずのお絵かき自体をやめてしまう、
なんてことにもなってしまう。

 

また、周囲からの評判が下がることを恐れて、
失敗を避けるために、
チャレンジすることを躊躇するようになります。

さらに、いつも上手くいかなくてもらえたら、
自己評価をする必要がなくなる。

結果、子供は頑張らなくてもいいと思うようになって、
努力をして成し遂げる必要性を感じなくになるんです。

 

(まとめ)

  • 適切な褒め方をしないと、子どもは褒められ依存症になる
  • モチベーションやチャレンジ精神が低下し、興味を失ってしまう可能性がある

3.実験結果

ここに人中心ほめ、プロセスほめ、おざなりほめの、
3つのほめ方の研究例があります。

128人の小学5年生を3つのグループに分けて実験しました。

子どもたち全員にIQテストを受けてもらって、
テストの後にそれぞれのグループに3種類の、
違ったほめ方をしたのです。

 

グループ1は、「人中心ほめ」の、
「こんな問題ができるなんて、頭がいいねぇ」、
というほめ方。

グループ2には、「プロセスほめ」の、
「問題を解くために諦めずに頑張ったんだねー」、
というほめ方。

そしてグループ3には、「おざなりほめ」の、
「よくできたねー」というほめ方にしました。

 

次に子どもたちに、
次に挑戦する問題は簡単なテストと難しいテスト、
どっちがいいかを選んでもらったんです。

 

結果、

  • 「人中心ほめ」されたグループでは67%が簡単なテストを選んだ
  • 「プロセスほめ」られたグループは、何と92%が難しいテストを選択した
  • 「おざなりなほめ」方をされたグループは、半々に分かれた

 

そして次に子どもたちに、
先ほどより難しいテストを続けてもらい、
あまり成績がよくなかったということを伝えた。

その後、子どもたちに、この難しいテストを続けたいか、
問題を解くことは楽しかったかと尋ねた。

 

すると、

  • 「おざなりなほめ」「人中心ほめ」の多くは、「もうやりたくない」「問題を解くのも楽しくない」と答えた
  • 「プロセスほめ」の子どもたちは、「もう少しテストを続けたい」「問題を解くのは楽しい」と答えた

 

ほめ方次第で結果が大きく変わることがわかります。

 

(まとめ)

  • 「人中心ほめ」と「おざなりほめ」は子供のやる気を削ぐ
  • 「プロセスほめ」が成果を伸ばす!

自分でできる子になる叱り方

子育てにおいて、叱ることは避けられない場面があります。しかし、叱り方によっては子供が自分で成長することができるようになる方法もあります。本記事では、自分でできる子に育つ叱り方について解説していきます。

だめ/違うを言わない

叱るときに否定的な言葉を使うと、
子供はフラストレーションを感じることがあります。

そのため、叱る際には、
肯定的な言葉から入るように心がけましょう。

 

例えば、幼児がタンスの中の洋服を、
引っ張り出して遊んでいる場合。

ダメなどと言わず、
何が入っているか見てみたかったのかなと理解を示す。

そして、一緒に片付けるように、
声をかけることが大切です。

 

叱る際には肯定的な言葉を使い、子供に理解を示すことです。

努力やプロセスに目を向ける

叱る際には、結果ではなく、
努力やプロセスに目を向けるようにしましょう。

子供の能力ややり方を否定すると、
子供は無力感を感じてしまう。

意欲をなくしてしまうことがあるのです。

 

例えば、テストで40点しか取れなかった場合、
頭が悪いと批判するのではありません。

次はどういうやり方をしたらもっと学べるかを、
一緒に考えるようにしましょうと伝えるのです。

 

子供を励ます時は結果よりもプロセスに注目!

好ましくない行動の理由を説明する

叱るときには、
具体的な理由を説明することが大切です。

罰を与える叱り方ではなく、
行動と結果の因果関係を理解するようになって、
相手を思うやる気持ちが生まれます。

 

例えば、スーパーの中で走り出した場合、
危ないからダメと言うのではありません。

走るとぶつかったりして、
他の人も怪我をするかもしれないから。

だから、一緒に歩こうねというように、
声をかけると良いでしょう。

 

叱るときは具体的な理由を説明すること!

親の気持ちを正直に伝える

叱るときには、相手を否定せず、
自分の気持ちを正直に伝えることが大切です。

子供が中心のメッセージだと、
攻められたと思い、攻撃的になったり、
言い訳をしたりすることがあります。

 

例えば、外出前に準備ができない場合、
私は安心するためにも時間通りに出られるように、
一緒に頑張ろうというようにする。

 

私メッセージを送ることが効果的です。

 

叱るときは相手を否定せず、自分の気持ちを正直に伝えることが大事。

子どもとつながる聞く習慣について

子育てには様々な課題がありますが、子供とのコミュニケーションはその中でも重要なポイントの一つです。今回は、子供とのコミュニケーションにおいて、アクティブリスニングという聞く習慣に焦点を当てて紹介したいと思います。

アクティブリスニング

アクティブリスニングとは、
話し手に対して100%の注意を向けます。

そして、その人の話を、
無条件に聞き入れることを言います。

 

子供の話を聞くとき、
話を遮ったり疑ったり評価したり、
説教したりしていませんか。

忙しい生活に追われて、
ついついいい加減に聞き流していないでしょうか。

 

アクティブリスニングは、
子供の話そのもののほかに、
身振り手振りに対しても注意を払います。

そのため、
忍耐と集中力を必要とします。

しかし、目の前の子供の話を耳や目、
心を使って聞いてあげることが大切です。

 

アクティブリスニングでの一番の長所は、
自分の話を批判せず、
理解してもらえるという安心感を持たせます。

そのため、言い訳をしたり駆け引きをすることなく、
子供が自分自身を振り返ったり、
自ら解決策を考えるようになるということです。

 

(まとめ)

  • アクティブリスニングは、話し手に100%の注意を向けます
  • 子供たちが自己反省や解決策を見つけられるように支援します

子どもとぶつかる習慣

子供との関係が悪化する原因は、選択理論心理学によると、
人間関係を破壊する習慣があるとされています。

 

具体的には、

  • 批判する
  • 攻める
  • 文句を言う
  • 脅かす
  • 罰する
  • 目先の褒美で行動をコントロールする
  • ガミガミ小言を言う

 

などが挙げられます。

 

これらの習慣は、
子供を外側から大人の都合のよいように、
コントロールしようとするものであります。

それは、相手の意見や気持ちを、
無視しているということです。

 

このような態度を取られたら、
喜びを共有したいと思える相手でなくなるのは、
当然のことと言えます。

 

(まとめ)

  • 子供との関係を悪化させるのは、子供をコントロールしようとする習慣
  • 相手の意見や気持ちを無視すると、喜びを共有したい相手ではなくなる

今回のまとめ

というわけで、今回は以上です。

 

今回は、様々なほめる叱るなどの、
こどもとのコミュニケーションにおいてのポイントを、
紹介させていただきました。

もちろん、全部やろうとしなくていいのです。

 

子育てに絶対の正解なんてありません、
本ブログも著書の内容のエッセンスを、
皆さんに共有させてもらったに過ぎません。

子育てに迷っている方への、
少しでも悩み解決へのきっかけとになれればと思います。

 

ぜひ、本書を手に、要約動画をチェックしていただき、
今日から一つでも子供とのコミュニケーションに、
意識を向けて役立ててみてください。

 

(参考文献・引用動画)

 

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。