本書、『否定しない習慣』では、相手を否定しないことが良好な人間関係を築くために必要な能力であると述べています。著者である林健太郎さんは、コミュニケーションのプロであり、多くのビジネスリーダーや経営者に対してコーチングを行ってきました。本書では、彼がコーチングの中で経験した会話例を交えながら、否定の無意識な行動の根源を解き明かし、自覚するためのヒントや技術を紹介されています。相手を否定しない習慣を身につけることは、良好な人間関係を築くために必要な能力であり、本書を読むことで身につけることができます。要約してご紹介します。

 相手を否定してしまう理由

人間関係を良好にするためには、
相手を否定しないことが大切です。

 

頭では否定せずに受け入れることが大切とわかっていても、
無意識のうちに相手を否定してしまうことがあります。

その理由の一つは、
「良かれ」と思ってという気持ちから、
否定を正当化してしまうことです。

 

例えば、中学3年生の時に将来の夢を親に話したら、
「もう少し普通な夢はないのか」と言われた経験がありませんか。

大人になってからは、
相手の言葉に悪意がなかったことがわかるでしょう。

 

おそらくは子供の将来を心配して、
良かれ」と思って言ったのでしょう。

しかし、悪意がないからこそ、
その言葉は意味深いものとなります。

 

私たちは無意識のうちに、
相手を否定してしまうことがあります。

それがなぜ起きるのかを知ることで、
より良い人間関係を築くための、
ヒントを得ることができます。

 

 

無意識で相手を否定してしまうのは、「良かれ」と思っての言動が意味深くなるから。

 相手を否定しない技術

否定することがもたらす影響について考え、
相手を否定しない態度の大切さを理解する必要があります。

否定しないマインドを育てるためには、
次の3つの基本が示されています。

 

(否定しないマインド3つの基本)

  1. 「事実だから」と言って否定しないという考え方
  2. 自分は正しいという思考を避けること
  3. 過剰な期待をしないこと

 

たとえ過去にミスをしたり遅刻が多かったとしても、
部下をずっと責め続けることは、
相手を追い詰めてしまいます。

事実であるからと言って、
何を言っても言い訳ではありません。

否定しているかどうか、
言っていることが事実かどうかではなく、
相手がどう受け取るかを想像することが大切です。

 

世の中のほとんどのことには、
明確な正解が存在しません。

自分なりの正解を主張し続けるのではなく、
意見の違いを理解し尊重し
相手と共有できる目標を見つけましょう。

 

人は期待を裏切られると相手を否定しがちですが、
ほとんどの場合、
相手はわざと失敗するつもりはありません。

相手を責めたくなったら、
まず「その人はその人なりに最善を尽くしている」と考えて、
自分の気持ちをコントロールしましょう。

 

否定する気持ちを抑えて、
ではどうすればうまくいくのかと考える方が生産的です。

 

 

他を否定せず、共感と理解を大切にするべきを理解する。

 否定してくる相手に対処する方法

相手に否定された時は、
料理で使うザルを思い浮かべるといい。

ボールのように相手の否定を全部受け取ると、
気持ちが落ち込んでしまいます。

 

それよりも、
穴だらけのザルを思い描いて、
相手の否定をスーッと通り抜けさせましょう。

 

コツは、

  • 必要な情報と不要な情報を分けることです。

 

否定的な言葉や攻撃的な言動など、
不要な情報は無視すること。

同時に、相手は、
ザルを持っていないということも理解しておきべきです。

 

 

相手の否定をスルーするコツは、必要な情報と不要な情報に分けること。

 否定しない技術

否定しない技術として、

  • 言葉を返す前に1呼吸置いて黙ることが大切

 

コミュニケーションのトラブルは、

  • 言葉を脊髄反射的に返してしまうことから起こりがち

 

そこで冷静になるためには、

  • 黙ること

 

相手の話を聞いてくれる存在になることは、
誰もが喜んで話すことにつながります。

重要なポイントは、
相手が話を終わるまで黙り続けることです。

相手の言葉を遮ることは否定になってしまいます。

 

また、相手の言葉を、
繰り返すことも効果的です。

相手が話したことをそのまま復唱し、
「それにと」と詳細な話や説明を加えてくれることもあります。

 

さらに、ゆっくりと話を進めるためにも、
ゆっくりと繰り返すことで、
会話のスピードを調整することができます。

ゆっくりに進む会話は、
内容を精査し勢いで否定することのない、
賢明な会話を展開するのに役立ちます。

 

相手の言葉を受け入れるという意味で否定しないとは、
必ずしも全てに対して「イエス」と、
言わなければならないということではありません。

時には、相手の発言を否定したり、
間違っていると指摘する必要もあるでしょう。

その場合には、
相手の言ったことをまずは、
承認するというスタート地点から始めましょう。

 

 

相手の否定は黙って聞き、相手の言葉を繰り返し承認する、できる賢明な会話!

 今回のまとめ

というわけで、今回は以上です。

 

相手を否定しない習慣を身につけることは、良好な人間関係を築くために必要な能力です。相手を否定せずに、受け入れることが大切であること、否定することがもたらす影響について理解し、否定しない技術を身につけることが重要です。

 

相手の「否定」をやめるだけで、人間関係は劇的に変わるのです。

 

(参考文献)

 

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。