日本人の多くが疲れを感じていると言われます。過労死という言葉も日常茶飯事。にもかかわらず、疲労のメカニズムや正しい対処法はあまり広く理解されていないようです。「疲れとは、そもそも何なのか」、「どうすれば、疲れを少しでも取り除くことができるか」。現代ビジネスのネット記事(2018.5.12)に、医師で東京睡眠疲労クリニック院長梶本 修身氏が本記事のなかで、疲れの原因とリフレッシュについて連載して解説されています。一部引用して要約をご紹介します。
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日本人の疲れがとれない根本原因
「日本人は、やっぱり無理をして生きている」。
引用元:これだけ労働時間を短くしても、日本人の疲れが取れない根本原因。(現代ビジネス)
日本人の多くが疲れを感じているのはなぜ!?
●疲れを感じる最大の理由は、私たちを取り巻く「環境の劇的な変化」。
疲れの「度合い」には地域差があることがわかっています。田舎に比べて都会で暮らす人はより疲れを感じている。都会人が「無理をしている」ことを意味しています。
最大の問題は、人間の遺伝子はほとんど変化していないかわりに、私たちを取り巻く環境は劇的に変化したことです。
●特に問題なのが、国土の狭さからくる人と人の「距離の近さ」。
見ず知らずの人と押し合いへし合いしながら満員電車、職場では隣の席に座る人と肩が触れあいそうなほど狭いデスクに座る。食事をする際も、隣席との距離が非常に近い店が多い。
当然、大きなストレスがからだにかかり、結果として「疲れ」を感じることになります。
他人との距離の近さは生命の歴史になかった劇的な環境の変化が疲れにつながっているのです。
疲れを感じるメカニズムとは!?
●長すぎるアウェイで過ごす時間。
本記事ではさらに、他人との近すぎる距離だけではない。人間は24時間のうち10時間前後、勤め先などのアウェイで過ごしていることも疲れを感じる原因であると解説。
この状況が「たまに」ではなく、何十年もの間「ほぼ毎日」繰り返されると、肉体や精神は本来は想定していないようなストレスがエンドレスにかかり続ける。極めて特殊な時代に、私たちは暮らしているのです。
とはいえ、社会状況が根本的に変わらないかぎりは、このような生活から完全に抜け出すのは不可能。つまり、私たちは疲れと一生つきあってゆくしかない。だからこそ、正しい知識を持ち、少しでも疲れない工夫をし、きちんと疲れを取る方法を身につけなければ、健康に生きていくことはできないと警鐘を鳴らすのです。
●自律神経のオーバーフローが「疲れ」の原因。
私たちは激しい運動をすると心拍数が上がり、呼吸が荒く大きくなります。体温の上昇を抑えるために汗もかく。こうした身体の反応を、刻々と切れ目なくコントロールしているのが自律神経。自律神経がオーバーフローしていくと「脳疲労」と呼ばれる状態となり、私たちは「疲れた…」と自覚する。
アウェイに身を置くと、人は自然と緊張します。つまり「アウェイで過ごす」ということは、それだけで激しい運動をした時と同じように、自律神経が多くのタスクをこなさければならない状態になるということだと。
どうやら、疲れを取り除くヒントがここにある様です。
アウェイでのストレスが続くと自律神経がオーバーフローとなり、疲れが蓄積されてしまうのです。
「休日に旅行やスポーツでリフレッシュ」はとんでもない勘違い
疲れをとるには休日の旅行やスポーツなどでのリフレッシュは勘違いとは。「疲れをためない生活をする」具体的な方法について記事を引用してご紹介です。
少しでも疲れたと感じたらすみやかに休息をとること
多少疲れを感じても適度な休息を取り、疲れをリセットしてやれば、疲れが蓄積することはないと考えてはいませんか。
本記事では、自律神経のダメージは蓄積してゆくもの、一つ一つの疲れを最小限に食い止めることが重要であると解説しています。
自律神経が酷使され細胞がダメージを負ってもある程度は回復できますが、蓄積されたダメージによって細胞が死んでゆく状態。つまり「疲れ」が「老化」に転化してしまうと、もはや回復できなくなってしまうというのです。
言い換えれば、「疲労を放置していると早く老ける」ということです。疲れが長年にわたって蓄積されている人ほど、早死にのリスクや認知症になるリスクなどが高まります。
疲れを感じたら必ず休息をとる、平日は無理をして土日に寝だめするといった生活はご法度です。
隠れ疲労の見つけ方対処のしかた
●カギとなるのは普段の生活の中で無意識に感じている「衝動」や、思わずしてしまう「行動」。
無意識に感じている衝動や行動とは?実例を挙げて解説します。
(思わずしてしまう行動例)
- いつもはオフィスのあるフロアまで階段を使っているのに、今日はなんとなくエレベーターを使った。
- いつもは駅まで歩いているのに、なんとなくバスに乗ってしまった。
- 帰宅して、お風呂に入るのがなんとなく面倒くさかった。
- 無性に甘いものが食べたくなり、お菓子を買ってしまったなどなど。
このように知らず知らずのうちに普段と違う行動をしているときは、「隠れ疲労」がたまってきていることを疑ってくださいとアドバイス。特段疲れているという意識はなくても、なぜかいつもと違う行動をしたり、衝動が起きたりする背景には、疲れが潜んでいる可能性が高いと言えるというわけです。
このような無意識の衝動は、意識に表れてくる疲労よりも正直なのです。
どうすれば疲れをリセットできるのか
●生活習慣を見直すべし。
残念ながら、薬などの力で劇的に自律神経の能力を回復させる術は今のところなし。ならば、日ごろの生活習慣を見直すしかないと提案されてます。
(生活習慣の見直す例)
- なるべく「アウェイ」ではなく「ホーム」の環境を重視することが大切。
- 簡単に言えば、精神的・肉体的に負荷がかからない環境にできるだけ身を置く。
- そして、無理のない行動を心がけること。
「なんだ、そんなこと当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、良かれと思って、実際には正反対の行動をしている人も少なくないと警鐘を鳴らしています。
●実際はよかれて思って正反対の行動をしてしまっている現状。
正反対とはどんな行動でしょう?
(正反対の行動例)
- 仕事帰りや土日にスポーツクラブに通い汗を流す。
- 身体を動かして汗を流す。
- 鍛えて疲れにくくなる。
- ストレス発散にもなる。
これらの行動は、疲労回復の見地から言えばきわめて危険な行為だとも指摘しているのです。それは、普段の仕事で脳に疲労がたまっているところにさらに運動をして、自律神経に大きな負担をかけているからです。「リフレッシュした」と感じても、実際には疲れもストレスもたまっていく一方だというのです。
本当に脳と身体を休めて疲れを取り去らない限り、疲労はむしろ多く蓄積されてしまうのです。
スポーツクラブに通うよりも少しでも早く帰宅してゆっくり休むほうがはるかに効果的なのです。
旅行や温泉はどうか!?
たしかに、温泉にゆっくり浸かることには一定の効果があります。ただ、特にわざわざ遠方の温泉宿まで自動車を運転して出かけるのは、脳が休まるどころか逆に疲れるだけ。
人間の脳は外部情報の90%を視覚から入手しています。温泉などのアウェイでも脳に伝達される情報量が激増します。当然ながら脳に多くの負担がかかり、疲労につながってしまうのです。
旅館に着くと、館内を探検したり、宿の近所を散歩したくなりませんか。あれは、動物が寝床の周囲に外敵がいないか見て回るのと同じで、新しい環境に危険が潜んでいないか、無意識のうちにチェックしようとしているのです。そのほか、強い紫外線も自律神経には大敵となります。
究極的には「家でゴロゴロする」ことが、疲労回復にはなにより効果的というわけです。
私の感想
究極的にではありますが、家でゴロゴロすることの方が疲労回復になによりも効果的のはずが、こちらの本書は逆。「疲れたら動け!」とあります。
一見すると真逆な理論のよう思えるのですが、疲れは体よりも精神的な疲労で、これは自律神経の乱れからだという点で共通してます。
さらに、疲れを溜めてしまうのも同じくアウト。
どちらも、小さな疲れを感じたときに疲れをとる方法として、まず休むか軽く動くかという対処方法の違いだけのように思います。
※本書の詳細は画像をクリックでどうぞ。
どちらにしても小さな疲れに気づき、小さな疲れの解消の実践が必要と言えるようです。
今回のまとめ
日本人の多くが疲れを感じるのは、他人との距離の近さは生命の歴史になかった劇的な環境の変化が疲れにつながっている。そのメカニズムは、アウェイでのストレスが続くと自律神経がオーバーフローとなり疲れが蓄積されてしまう。
その疲れは休日に旅行やスポーツでリフレッシュすることで解消できると考えているのはとんでもないご法度だと本記事は指摘。自律神経のダメージは蓄積してゆくもの、一つ一つの疲れを最小限に食い止めることが重要であると解説しています。疲れを感じたら必ず休息をとる、平日は無理をして土日に寝だめするといった生活はご法度。
いつもは階段を使っているのに、今日は何となくエレベーターを使ったといった、無意識に感じている衝動や行動は疲れのシグナル。こんな時はむやみにスポーツクラブで体を動かしたりせず、なるべく「ホーム」で疲労をむやみに蓄積しないことが肝心。
旅行や温泉も、その刺激が逆に脳を刺激して疲労につながってしまうのも注意が必要。無理するくらいなら究極的には家でゴロゴロすることの方が、疲労回復にはより効果的と結論でした。
小さな疲れに対処することが大切、小さな疲れを感じたときは軽く動くことも方法のひとつであることも合わせてのご紹介。
小さな疲れを取り除いてこそ、旅行も温泉もスポーツも楽しむことができるわけです。
現代ビジネスのネット記事(2018.5.12)、医師で東京睡眠疲労クリニック院長梶本 修身氏の記事を参考に、疲れを取り除く方法を引用してのご紹介でした。
いかがでしょうか?
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