「もっと欲しい」「まだ足りない」。そう思い続けているうちに、気づけば心だけが忙しくなっている。
カン・ヨンスさんの『求めない練習』は、絶望の哲学者と呼ばれたショーペンハウアーの思想を土台にしながら、「幸福とは、手に入れることではなく、手放すことから始まるのではないか」と静かに問いかけてくる一冊。本書が語るのは、前向きな夢や努力を否定する話ではない。むしろ、求めすぎて疲れてしまった現代人の肩を、そっと下ろしてくれる哲学だ。私は何度も心の中でひとりツッコミを入れた。「ああ、また私、求めすぎてるな」と。そんな小さな気づきが、日常を少しだけ軽くしてくれた。

欲しがる心は、働き者

欲しいものは、
手に入れた瞬間に次を探し始める。

まるで休憩を知らない
営業マンみたいに。

私もそうだった。

 

達成したら楽になると思っていたのに、
達成した途端、
次の課題を自分に出していた。

求めることが悪いわけじゃない。

 

ただ、求め続ける心は、
今ある幸せを見逃す天才でもある。

求めないは、あきらめじゃない

求めないと聞くと、
何も望まず、流されるように生きることだと
誤解されがちだ。

 

でも、ここで言う求めないは、
あきらめでも、投げやりでもない。

むしろ、
これ以上、自分をすり減らさないための選択だ。

 

期待を少し下げることで、
心が壊れない場所に立ち戻る。

無理に前へ進まなくても、
ちゃんと息ができる場所に戻る。

 

求めないとは、
夢を捨てることではなく、
自分を守りながら生きるという意思表示だ。

静かだけれど、
とても強い生き方だと思う。

幸せを増やさない幸福

ショーペンハウアーの幸福論は、
幸せをどんどん足していく話ではない。

むしろ、
不幸をそっと引いていく考え方だ。

  • 無理をしない
  • 比べすぎない
  • 疲れたら、ちゃんと休む

 

どれも地味で、
拍手が起きるようなことではない。

でも、心を壊さないためには、
とても大切なことだった。

 

劇的な幸せは、やってきていない、
人生が好転したわけでもない。

それでも、この「何も起きていない感じ」が、
今の私にはちょうどいい。

今回のまとめ

-余白というご褒美

求めない練習は、
人生を縮めることではない。

何かを失うことでもない。

むしろ、知らないうちに
詰め込みすぎていた毎日から、
少しだけ荷物を下ろすことだ。

余白を取り戻すということは?


呼吸が深くなること、
急がなくていいと、
自分に許可を出すこと。

そして、役割や期待から離れて、
本来の自分に戻る時間を持つこと。

この本は、声を張り上げず、
静かに、こう言っている。

もう、そんなに頑張らなくていいよ、
余白を楽しみなさい、と。

 

あとがき:私なりに一言で言うと、「幸せは、遠くまで追いかけた先に、やっと辿り着くものじゃなかった」。むしろ、足を止めた瞬間、ふと視線を下げたときに、すでに足元にあったものだった。今日くらい、何かを足さなくてもいい。前に進まなくてもいいと。求めない時間、立ち止まる時間、案外その静けさもいいなって思えて。ちゃんと生きていると感じて。歳のせいかな…。笑

 

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最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでもヒントになればうれしく思います。