
この世界は、理屈だけでは動いていない。そう言われると、少し安心する自分がいる。行動経済学者エヴァ・ファン・デン・ブルックと、広告の現場を知り尽くしたティム・デン・ハイヤーが書いた『勘違いが人を動かす』は、「人は合理的ではない」という前提から始まる本だ。努力すれば変われる、正しい判断をすればうまくいく。そんな“まっとうすぎる話”に、どこか息苦しさを感じていた私に、この本は別の景色を見せてくれた。人は、勘違いしながら生きている。そして、その勘違いこそが、私たちを動かしている。この動画の内容をなぞりながら、日常の中で「あ、これ私だ」と苦笑いしてしまった瞬間を、エッセイ風によせてご紹介です。
人は楽なほうへ、驚くほど素直に流れる
人は楽なほうへ、
驚くほど素直に流れる
エレベーターと階段が並んでいたら、
気づけばエレベーターのボタンを押している。
誰に怒られるわけでもないのに、
なぜか罪悪感だけが残る。
でもそれ、
怠けじゃなくて省エネらしい。
人の脳は、
「できるだけ楽に生き延びよう」と
太古の昔から決めているのだとか。
だから意志で変わろうとするより、
最初から楽な環境を用意したほうが早い。
机の上に本を置く。
靴を玄関に出しておく。
それだけで人は動く、
ほんとうにそれだけで。
ご褒美があると、大人は急に素直になる
嫌なことと、
好きなことをセットにする。
運動中だけ聴ける音声、
作業中だけ飲めるコーヒー。
まるで自分を
飼いならしているみたいで。
ちょっと笑ってしまうけれど、
効果は抜群。
しかもポイントは、
「いつでもOK」にしないこと。
制限があるから、
ご褒美になる。
自由すぎると、
ありがたみは消える。
人生も、案外
それに似ている気がする。
人は得よりも、損を避けたくて動いている
「今買わないと損ですよ」
この言葉に弱くない人は、あまりいない。
冷静に考えれば不要でも、
損をするかもしれない、
と思った瞬間に心が揺れる。
人は、得する喜びより
損する恐怖を、
ずっと大きく感じるらしい。
だからこそ、
一呼吸おいて自分に聞いてみる。
これは本当に欲しい?
それとも、失うのが怖いだけ?
それだけで、
衝動は少し静かになる。
今回のまとめ
-私たちは、選びたくないし、考えたくない
選択肢が多すぎると
決められない。
難しい話は、
そっと閉じたくなる。
目立つものに、
なぜか惹かれる。
共通点があると、
安心する。
どれも欠点じゃなくて、
ただの人間仕様。
この癖を知っているだけで、
自分にも、周りにも、少し優しくなれる。
あとがき:机の上を片づけたら仕事が進んだ。自分を褒めたい気もしたけれど、たぶん私は何もしていない。環境が勝手に働いただけ。コーヒーを飲みながら作業したら、「私、意外と集中できる人間かも」と一瞬思った。それも勘違い。でも、こういう勘違いなら大歓迎だ。賢くなろうとしなくても、ちゃんとやろうと力まなくても、人は案外、うまく転がっていく。今日の学びはひとつ。自分を教育しようとしない。機嫌よく勘違いさせておく。それだけで、一日は思ったより静かに、わりと上出来に終わった。
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いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでもヒントになればうれしく思います。






