およそ2500年前のインドでお釈迦様(ブッダ)が説いた仏教の教えには、人間の本質を見事にとらえているといわれます。それは、現代においてもまったく色あせることなく適応できる。生きていく中で生じる悩みや苦しみが、「どこから来るのか?」「なぜそうなるのか?」「楽になる方法があるのか?」。お釈迦様が教えてくださる生きていくための知恵から、その原因と少しでも心が楽になる方法を探ってみました。5月病など落ち込みやすい時期、少しでも悩みやストレスから解放されるヒントにしたいところです。People vector created by freepik – www.freepik.com

 

生きるためのお釈迦様の知恵

お釈迦様はその教えであります仏教の中で、「生きることは苦に満ちている」、「生きることが苦しいのは当たり前だともいえる」と説かれています。

かなりネガティブにも思えます。

でも、お釈迦様はその苦しみの存在をありのままに受け止め、どうしたらその悩みや苦しみから解放されてイキイキと生きるかということを説かれている。仏教は生きるための知恵を教えてくださるのです。

この世の真理を知ることから-仏教の4つの教え

お釈迦様の4つの教えがあります。これが生きていく知恵につながると教えてくださる。

1.一切皆苦(いっさいかいく)・・人生は思いどおりにならない

仏教の出発点は生きるというのは思いどおりにならない”苦”である。その「苦」には八つあるとされています。これが「四苦八苦」。

1.死んでいく苦しみ
2.病気の苦しみ
3.老いの苦しみ
4.生きる苦しみ
5.心身を思うようにコントロールできない苦しみ
(五蘊盛苦/ごうんじょうく)
6.愛する人と別れる苦しみ
(愛別離苦/あいべつりく)
7.嫌いな相手に関する苦しみ
(怨憎会苦/おんぞうえく)
8.欲しいものが手に入らない苦しみ
(求不得苦/ぐふとくく)

 

2.諸行無常(しょぎょうむじょう)・・すべては移り変わる一定のものなどない

なぜ”一切皆苦”なのか、それはこの世のすべては一定でなく常にうつり変わるという真理があるからだと続きます。

人は自分の体もお金や物、人間関係だって「変わらない」と思い込み、そうあって欲しいと願い続けます。自分の大切にしているものや関係はずーっと変わらず自分のものであって欲しいのに、必ず壊れたり離れたりしていってしまう。「色(目に見えるもの)は無常なり、無常なればすなわち苦なり」だと。

 

3.諸法無我(しょほうむが)・・・すべては繋がりの中で変化している

この世はすべて因果関係で繋がっている、他と関係なしに独立し存在するなどないということ。自分のものもすべてが他との影響を受けたものであって、自然環境と同じように絶妙なバランスで成り立っている。自分という存在もお互いの関係の中で生かされている存在であるとの認識が必要であると。

 

4.涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)・・・仏になるために仏教が目指す”さとり”

仏教が求めているのは、これら苦のない”さとり”の境地を目指しているのです。人は、悩みや苦しみは自分以外に原因があると考えてしまい、不満となり怒りを抱き悩み苦しむのです。

仏教ではこれらすべて自分が生み出したもの、疑いや誤った見方にプライドや欲望など”煩悩”があるからだというわけです。この煩悩を消し去り安らかな心をもって生きることこそ「涅槃寂静」なのです。

 

お釈迦様の教え、
この世の真理は、「一切皆苦」、「諸行無常」、「諸法無我」、「涅槃寂静」と説かれるのです。

苦しみや悩みはどこから来るのか!?

お釈迦様はこの世は「一切皆苦」であり、苦は八つの苦しみであると具体化しているとご紹介しました。その”四苦八苦”は、一体どこから来るのか?お釈迦様はこれについても説いています。

 

●苦しみや悩みの原因は”執着”

この世は”一切皆苦”の自分の思いどおりにならない世界であること、”諸行無常”のすべてが移り変わる一定のものなどないという真理を知らず、人は毎日悩み続ける。

病気になりたくない死にたくない、歳をとりたくない老けるのはイヤ、好きな人とどうしても結ばれたい、あの人とは仕事をしたくない、欲しいモノが手に入らない…‥。

この世はすべて自分の思いどおりにならない、常に変化するものだというのに、常に自分の求めるものを追い続け執着してしまう。ある意味、心が反応するその欲深さが結局、苦しみや悩みを生じさせてしまうと教えてくださる。

 

●人の求め続ける悲しさが苦しみに

人はよりよい状態、よりよい関係にしたいと思う生き物です。悪い意味での執着は悩みの原因になるからといって、よりよくしたい、楽をしたい、楽しみたいと求めることを断ち切るわけにはいきません。

悲しいことは人は”求め続ける”という性質を持っているということです。かりに欲求が満たされたとしても、新たな欲求を求めてしまう。つまり常に不満の状態、満たされることのない人生、逆にいえば常に悩みや苦しみから逃れられなくなるということであります。

自分の心が悩み苦しみを生んでいる、”執着”は「心の反応」でありました。

気がつくと、自分の心に振り回されてしまう、いちいち反応している自分の心の動きは無駄だということになります。「元恋人が忘れられない・・・」、「あの人の態度が気に入らない・・・」、「もっと高い給与がもらえて当然・・・」などなどあれもこれも。

要らぬ執着でいちいち反応する心、心に振り回され悩みや苦しみが生まれる。

 

執着心を取り除く方法はあるのでしょうか?

気持ちが楽になる簡単な3つの方法

求め続けてしまう自分自身の心に振り回されないようにするための身近な方法を3つご紹介します。

1.心の状態を言葉で確認する

自分をありのままに観るとは自分の心の状態を知ることです。一番カンタンな方法は口にしてみることです。

「私は “今” イライラしている」、「私は “今” 焦っている」、「私は “今” ざわざわして落ち着かない」、などなど自分の今の状況をアナウンスしてみる。

こうすることで今の自分の心の状況を確認してみると、無意識にいちいち反応してしまう自分の心と一体化してしまうことがなくなるはずです。紙に書いてみるのもいいと言われます。書き出してみると不思議に落ち着いて、冷静に自分の心を感じることができるはずです。

 

今の自分の心を口にしたり書き出すことで自分の心の状態を確認してみる。

2.頭の中を分類整理する

悩みや苦しみから目をそらしてみても、どうしてもすぐに元に戻ってしまうのも人の心の性質です。今の自分の心の状態をせっかく口にしたり書いたりして観察できたのならば、つぎに心の状況を整理してみるといい。

それは欲求に対しての不満なのか、人やモノに対する怒りなのか、なんとなく感じる単なる妄想なのかといった感じに分類整理してみる。

心の反応に振り回されながら、それらが蓄積されてオーバーフローじゃぁ困ります。押しつぶされてしまいます。仏教ではこれら欲求、怒り、妄想を、三毒(とん・じん・ち)といいます。心と意識を整理してこそ三毒である煩悩を”断捨離”することができるのです。

 

「欲求・怒り・妄想」は取り除く必要がある、だから整理することが必要なのです。

3.心の外側へ焦点を移す

悩みや苦しみは、自分の心の内側にあります。今の自分の心の状況を観察して整理して棚卸をした後、それらの心の内側から外へ意識を向けて、悩みや苦しみから頭と心を解放してあげるということが必要になるというわけです。

カンタンなやり方としては、空の雲を見るとか野鳥の声に耳を傾けるなんて具合。散歩したり、おいしいもの食べたり?今、自分が呼吸しているそのことに集中してみたり。好きなこと、仕事に集中するななんてのも煩悩から焦点を移すことになりますね。(*´з`)

 

マインドフルネスというちょっとした瞑想も、この心を外側に向ける効果あるから、やってみる価値あるようです。

マインドフルネスはとってもお手軽な脳とカラダの大掃除

 

心や意識は常に動き考え続けています。休むこともなく気が付くと自分の心にある悩みや苦ばかりに意識が向いてしまい、そこから抜け出すことを忘れてしまう。だからこそ意識的にその視点を外へ向けて、負の連鎖から解放してあげる。こういった整理と解放が悩みや苦しみからの解放に役立つというわけです。

 

心や意識は常に動き考え続けてヘトヘト、時々休ませてあげましょう。

私の感想

人には求める心、求め続けることが必要なこともあります。「必死に勉強して東大に合格する!」、「オリンピックに出場して金メダルを取る!」、「ビジネスで成功する!」。

成功した人や成し遂げた人は皆、”夢を追い続けろ”と言います。一見これって、”欲求”を追い求めるな”というお釈迦様の教えとは、ちょっと逆行しちゃうようにも思えたりするのですが”欲求”と”執着”は違うようです。

「人生は自分の思いどおりにならない」、「すべては移り変わる一定なモノはない」、お釈迦様の生きるための知恵は実にシンプルで奥深い。

今回ご紹介の「少しでも心が軽くなる3つの方法」は、実際に私も実践しているお気に入り方法です。お釈迦様の生きる知恵と深くつながっているように思えます。

 

「気持ちが楽になる簡単な3つの方法」はいつでも気軽にもできる簡単な方法なのでおススメです。

 

(marusblog関連記事紹介)

http://marus.info/2112-zen/

http://marus.info/condition-april-marusblog/

http://marus.info/morning-method-marusblog/

今回のまとめ

●5月病など落ち込みやすい時期。

少しでも悩みやストレスから解放される方法を探る中、およそ2500年前のインドでお釈迦様と説いた仏教の教え。生きていくための知恵から、具体的に気持ちが楽になる方法なるものをご紹介しました。

 

●お釈迦の教えにはこの世の真理は4つ。

「一切皆苦」、「諸行無常」、「諸法無我」、「涅槃寂静」と説かれている。生きる知恵ともいえる教えは、苦しみや悩みは心の執着によるものであり、要らぬ執着する心に振り回せれて悩みや苦しみが生まれると。

 

●本記事では、この人の心の”執着心”を取り除く方法を探りました。

(気持ちが楽になる簡単な3つの方法)

  1. 心の状態を確認する
  2. 頭の中を分類整理する
  3. 心の外側へ焦点を移す

 

お釈迦様の生きる知恵、気持ちが楽になる簡単な3つの方法、心と意識、時々解放してあげましょう。

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。人気ブログランキングに参加中。こちらクリックして頂けましたらうれしく思います。
↓↓↓

自己啓発ランキング